TDK Electronics

コーポレート

2025年4月15日

世界初、次世代AIに向けてデータ通信速度を10倍にする超小型光電融合素子「Spin Photo Detector」を実証

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  • 従来の半導体を用いた光検知の10倍にあたる800nmの波長の光で20ピコ秒の超高速応答 

  • 独自コンセプトで光を検知する磁性デバイスを開発し、近赤外光と可視光ともに検知可能 

  • 基礎物理研究の実績を有する日本大学と共同で動作実証に成功 

  • 更なるAI進化によるデータ処理速度向上と消費電力削減を期待される光電融合技術に応用可能 

TDK株式会社社長齋藤 昇は、波長800nmの光を20ピコ秒 (20×10-12という超高速で光を検知できる素子「Spin Photo Detector(スピンフォトディテクタ)」を開発し、日本大学と共同で、世界で初めて*原理実証に成功しました。これは従来の半導体を用いた光検知素子と比較して10倍以上の反応速度です。AI進化によるデータ処理速度向上と消費電力削減という社会課題の解決が期待されている光電融合(Photoelectric Conversion)分野において、スピンフォトディテクタは重要なデバイスとして応用可能です。  

AIの更なる進化には、これまで以上に膨大なデータを高速且つ低消費電力で転送する必要があります。現在、データ処理や演算を行うCPUGPUのチップ間、それらとメモリの間の通信は電気信号で行われています。通信速度としては高速且つ配線距離が長くなっても通信速度が低下しない光通信や光配線の必要性が増していますが、それら光学素子と電子素子と融合させてコンパクトに実現する手段として、光電融合技術が世界中で注目されています 

こうした課題に対して、当社はHDD用磁気ヘッドで培った、電子と磁性を組み合わせたMTJ素子というスピントロニクス素子の技術を応用しました。このスピントロニクス素子の大きなメリットの一つは、単結晶基板を用いた結晶成長を必要とせず、基板材料を選ばずデバイスを形成できることです。これは、従来の光検知素子(Photodetector)が半導体単結晶基板を必要とし、それらの直上に形成しなければならないとは対照的です。この要素は複数技術の融合をコンパクトに実現する必要がある光電融合分野においては大きなメリットとなるため、MTJ素子での光検知するスピンフォトディテクタというコンセプトを提案し、実験を行ってきました。 

スピンフォトディテクタが用いる動作原理は、電子加熱という超高速で磁性材料が光に応答する物理原理を応用します。この物理現象に関して世界で先駆的な基礎研究実績のある日本大学との共同開発を行い、波長800nmの光を用いて超高速光パルスを照射し、20ピコ秒 (20×10-12という超高速でスピンフォトディテクタが応答することを実証しました。従来の半導体光検知素子(Semiconductor Photodetector)では、波長が短くなるほど高速動作が困難になるという物理原理上の制約がありますが、スピンフォトディテクタでは動作原理が全く異なり、電子加熱現象を用いるため、波長が短くなっても超高速動作が可能です。また、動作波長領域も広く、可視光から近赤外光まで動作することを確認しました。 

可視光の高速検知も可能となったことにより、今後ますます成長が期待されるAR/VR用スマートグラス向けのデバイスの応用([1], [2])や、高速撮像素子などの応用も将来的には期待されます。また、従来の半導体光検知素子は宇宙線耐性が弱いという課題があることに対し、MTJ素子は宇宙線耐性が強いことでも知られており、航空宇宙用途での光検知素子としての活用も期待されます。今後、本成果をもとに高速の光検知素子としての完成度を高め、有用性をさらに追及し、社会トランスフォーメーションに貢献していきます。 

*   20254月現在、TDK調べ 

特徴とアプリケーション

主な用途 

  • データセンター、生成AI用光通信・光配線の受光素子 

  • AR/VR用光検知素子  

主な特長と利点 

  • 従来の光検知素子が半導体素子であるのに対し、磁性素子であるMTJ素子を用いて光検知を実現 

  • 超高速で光検知可能 

  • 近赤外光から可視光まで、広波長領域で超高速光検知可能 

  • 基板を選ばず、色々なデバイス上に作成可能 

  • データセンター、生成AI用光通信・光配線や、AR/VRといった分野への展開が可能 
     

語彙集

  • AI: Artificial Intelligence 

  • Photoelectric Conversion: 光電融合。光素子と電子素子をコンパクトに組み合わせる技術のこと。 

  • Photo-Spintronic Conversion: 光電磁融合。光素子、電子素子、磁性素子を組み合わせた、TDKの造語。 

  • HDD: Hard Disk Drive 

  • CPU: Central Processing Unit 

  • GPU: Graphics Processing Unit 

  • Spin: 磁性を意味する用語 

  • MTJ: Magnetic Tunnel Junction 

  • AR: Augmented Reality 

  • VR: Virtual Reality   

     


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積層セラミックコンデンサ

2025年4月14日

車載用100V品3225サイズで業界最大静電容量の積層セラミックコンデンサの開発と量産

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  • 車載用100V品で3225サイズの10μFを新たにラインナップ(大容量化を実現)
  • セットの部品数削減や小型化に貢献
  • AEC-Q200に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の車載用製品「CGA」シリーズのX7R特性100V品で、業界最大の静電容量*となる3225サイズ(L3.2mm×W2.5mm×T2.5mm)の10µFの製品を開発し、2025年4月から量産を開始したことを発表します。

昨今、ECUの高機能化に伴い、消費電力が増え大電流化が進む一方で、車両の軽量化(ワイヤーハーネスの軽量化)も求められており、バッテリー電圧の48V化が進んでいます。その際、電源ラインで使用される平滑およびデカップリングコンデンサとして100V品の大容量化の要求が高まっています。

「CGA」シリーズの100V品では、材料選定と製品設計の最適化により、同一サイズの自社従来品から2倍の大容量化を実現しました。新製品は従来品から員数や実装面積を半減することが可能で、セットの部品数削減や小型化に貢献します。今後も更なるラインナップの拡充を図り、お客様のご要求へ対応してまいります。

* 2025年4月現在、TDK調べ

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 各種車載用48V電源ラインの平滑およびデカップリング用途  

主な特長と利点

  • 3225サイズで10μFの大容量化による、セットの部品数削減や小型化
  • AEC-Q200に対応した高信頼性

     

語彙集

平滑:大容量コンデンサの充放電により、整流された電流に含まれる脈流の電圧変動を抑え、滑らか(平
滑化)にする働きをする。
デカップリング:ICの電源ラインとグランド間にコンデンサを挿入し、負荷が急激に変化した際に一時的に電
流を供給して電源ラインの電圧変動を抑制する働きをする。
AEC-Q200:Automotive Electronics Councilの略。車載向け受動部品の規格。


 

主要データ

製品名外形寸法 
[mm]
温度特性定格電圧 
[V] 
静電容量 
[μF]
CGA6P1X7R2A106K250AC keyboard_arrow_right3.2 x 2.5 x 2.5X7R10010
サンプルのご購入は、製品名をクリック後に表示される製品ページから可能です。


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インダクタ

2025年3月18日

車載PoC用大電流対応巻線インダクタの開発と量産

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  • 最大1600mAの大電流に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、車載PoC用大電流巻線インダクタ 「ADL3225VFシリーズ」(L3.2mm×W2.5mm×H2.3mm)を開発し、2025年3月より量産を開始したことを発表します。 

ADASは複数の車載カメラやセンサー等により周囲の状況をセンシングして安全な運転をサポートしています。車載カメラは車のフロント、リヤ、サイドに配置され、その映像を支援システムで制御して安心安全な走行を実現しています。車載カメラの回路構成は、バッテリーを電源としてECUと呼ばれる制御回路を介して車載カメラに接続されています。ECUと車載カメラの接続には通常、信号線と電力線の2本で構成されていますが、PoCはこれらを1本の同軸ケーブルで実現する通信方式です。PoCは車内に配線されたケーブルを削減できるメリットがあり、車両重量の軽量化と低燃費化を実現します。さらには二酸化炭素の排出を抑制し、クリーンな地球環境に貢献します。

ADL3225VFシリーズは、ADL4532VKシリーズ(2025年2月13日リリース)の実装面積を約45%削減しつつ同等の定格電流1.6Aを実現しました。PoCは信号を処理する前に、信号と電力を分離するために複数のインダクタで構成されたフィルタが必要になります。従来品ADL3225VM-2R2Mと比較して独自の材料設計と構造設計により定格電流を約20%向上させながら、300MHz~1100MHzの高い周波数帯域で高インピーダンスを実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献します。また、高温環境下での使用を想定した製品設計により、動作温度範囲上限が155°Cとなる高信頼性インダクタです。

今後も車載PoC用インダクタ開発を巻線工法に加え、積層、薄膜の3種の工法を用いた最適化設計により、市場ニーズに対応した豊富なラインアップの拡充を行いPoC伝送信号の品質向上に貢献して参ります。
 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 車載カメラ用PoC回路 

主な特長と利点

  • 最大1600mAの大電流に対応し、車載カメラの高機能化に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

     

語彙集

PoC:Power over Coaxの略称。同軸ケーブルを用いた電力伝送
ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略称。先進運転支援システム
ECU:Electronic Control Unitの略称。自動車における各種機能を制御する装置の総称

 

主要データ

製品名インダクタンス
[μH] ±20%
@100KHz
直流抵抗
[ohm]
max.
Isat.
[mA] typ.
25deg.C
Itemp.
[mA] typ.
105deg.C
Itemp.
[mA] typ.
125deg.C
ADL3225VF-R49M-TL000

0.49

0.11

≥2000

1600

1250

Isat.25°C: インダクタンス変化率に基づく場合(公称インダクタンス値に対して –30% 以下)
Itemp.105°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 50°C)
Itemp.125°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 30°C)


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コーポレート

2025年3月13日

温室効果ガス削減目標でSBTネットゼロ目標認定を取得

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  • 国際的なイニシアティブSBTiがTDKの温室効果ガス削減目標を科学的根拠に基づいた目標設定であると認定
  • 直接排出だけでなく、サプライチェーン全体を含めた目標設定
  • 2050年までに排出量をネットゼロとすることを見据えた長期目標

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、温室効果ガス(以下、GHG)排出量のネットゼロ目標を策定し、これらの目標が、パリ協定に準じて「世界の気温上昇を産業革命前より1.5°Cに抑えることを目指す」ための科学的な根拠に基づく長期目標であるとして、国際的イニシアティブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」によるSBT認定を取得したことを発表します。(2025年2月3日に認定取得)

認定されたTDKのネットゼロ目標(長期)は以下です。
ターゲット1 : Scope1、Scope2のGHG排出量を2050年度までに2021年度(基準年)比で90%削減
ターゲット2 : Scope3のGHG排出量を2050年度までに2021年度(基準年)比で90%削減

これらのネットゼロ目標は、2024年6月度に同団体から認証を受けた中期目標を踏まえたものです。
ネットゼロ目標を達成するための活動の一環として、従来より再生可能エネルギーの導入を推進しています。
2023年7月より、国内すべての生産開発拠点において再生可能エネルギー由来の電力100%で操業を開始し、グループ全体で2025年度までに再生可能エネルギー導入を50%にするという目標を2023年度に2年前倒しで達成しました。2050年度に向けて引き続き、グループ全体で使用電力の100%を再生可能エネルギーに転換することを目指します。

今回のSBT認定取得を契機として、当社におけるGHG排出量の更なる削減を目指すとともに、サプライヤーにもGHG排出量の削減目標設定を促すことで、サプライチェーン全体でGHG排出量を削減し、持続可能な社会の発展に寄与してまいります。
 

 

語彙集

SBTi (Science Based Targets initiative): CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体が共同で2015年に設立し、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義・推進し、企業の目標を独自に評価する国際的イニシアティブ。https://sciencebasedtargets.org/

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電源製品

2025年3月4日

高電力密度アプリケーション向けテレメトリ機能を備えたμPOL™ DC-DC コンバータの開発と量産

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  • 小型モジュールの構造を最適化し、高電力密度を実現
  • 新製品FS1606は、6Aで業界最小のソリューション
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)へI2Cインタフェースを介し容易にアクセス

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、microPOL μPOL™)パワーモジュールのFS160*シリーズを開発し、20253月より量産を開始したことを発表します。性能が向上したμPOL DC-DC コンバータのFS160*シリーズはテレメトリ機能を備えた業界最小サイズで高電力密度を実現した製品です。

FS160*シリーズのサイズはL3.3mm × W3.3mm × H1.35mmであり、そのサイズと高電力密度により、本シリーズのモジュールはいずれも、ASICSoC、そして一般的なFPGAを搭載した設計へ、容易に組み入れることが可能です。テレメトリ機能(電圧、電流、温度)には、I2Cインタフェースを介してアクセスが可能で、モジュールは-40°Cから125°Cまでの幅広い接合部温度範囲で動作します。

3A品(FS1603シリーズ)、4A品(FS1604シリーズ)、6A品(FS1606シリーズ)のそれぞれには数種類のバージョンがあり、その他ラインナップとしても、12AFS1412)および25A200AFS1525)のモデルを用意しました。3Aから200AまでのDC-DCコンバータモジュールは、ビッグデータ、機械学習、人工知能(AI)、5G基地局、IoT、エンタープライズコンピューティングなど、幅広い分野のニーズをカバーします。

モジュール構成自体が革新的なFS160*シリーズのモジュールは、半導体内蔵基板技術を用いて、高性能コントローラ、ドライバ、MOSFET、ロジックコアをパッケージ内にて統合しています。半導体内蔵基板にすることによって、ワイヤボンディングが不要となり、温度性能が向上します。

また、モジュールのICとインダクタ、その他受動部品をチップ内蔵パッケージに統合することで、寄生インダクタンスを最小限に抑えています。これにより接続間距離が短くなり、モジュールの効率を高めています。抵抗とインダクタンスを最小化することで、動的負荷電流の応答速度が速まり、調整を正確に行うことができます。ブートコンデンサおよびVccコンデンサも、モジュール内に組み込まれています。

これらおよびその他の設計最適化により、FS160*シリーズのコンバータは、1mm3あたり1Wという大容量送電を可能としていますが、モジュールサイズは同クラスの製品と比べて半分程度です。FS160*シリーズのモジュールには非常に実用性があり、周辺温度100°Cを上限として、最高15Wまでエアフローを必要としません。このモジュールを使用することにより、プリント基板の省スペース化、基板層数と外付け部品数の削減が可能になるため、最終的にシステムのコスト低減につながる小型ソリューションとなります。

このモジュール方式により、0.6V5.0V出力のアナログ/デジタル設計が可能です。TDKは主要なFPGAサプライヤ各社のFPGAに特化したツールを含め、設計者が使用できる複数の設計ツールを用意しています。

FS1603FS1604FS1606シリーズには、3A4A6Aの各モジュール用の評価ボードがあります。FS160*シリーズの追加設計ツールには、QSPICETM上のスパイス・シミュレータ設計が含まれます。回路図およびPCBレイアウト用のリファレンスデザインは、パートナーのUltra Librarianから無償で提供されています。https://www.ultralibrarian.com/partners/tdk

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • ビッグデータ
  • 機械学習
  • 人工知能(AI)
  • 5G基地局
  • IoT
  • エンタープライズコンピューティング

主な特長と利点

  • 小型モジュールにおける高電力密度
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)
  • 3Aから25Aまでの幅広いラインナップのうちの一部として設計および用途にあわせ柔軟に対応可能
  • 3.3mm × 3.3mm × 1.35mmの小型サイズ
  • -40°Cから125°Cまでの幅広い動作温度範囲
  • 基板のサイズとコストを最小化
  • 産業機器向けとして評価済み、鉛フリー、ROHS準拠
     

語彙集

  • μPOLモジュール:ASICFPGAなどの複雑なチップセットに隣接配置される統合DC-DCコンバータ
  • PCB:プリント基板

 

 

主要データ

Part No. L x W (mm)T (Max.) (mm)Input Voltage Range 
Dual Supply Mode / V
Input Voltage Range 
Single Supply Mode / V
Output Voltage / VContinuous Output Current (Max.) / AOperating Junction Temp. / °C

FS1603-5000-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

4.5 to 16

4.5 to 16

5

3

-40 to 125

FS1604-3300-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

4.75 to 16

4.75 to 16

3.3

4

-40 to 125

FS1606-0600-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

2.5 to 16

4.5 to 16

0.6 to 5.0

6

-40 to 125



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2025年2月14日

CDPの「気候変動」「水セキュリティ」両分野においてAリスト(最高評価)に選定

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  • CDPの「気候変動」において初の「Aリスト企業」に選定
  • 「水セキュリティ」対策において5年連続「Aリスト企業」に選定され、ダブル受賞

株式会社(社長:齋藤 昇)は、気候変動などの環境問題に取り組む国際的な非営利団体であるCDPにより、情報開示の透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、2024年度の「気候変動」及び「水セキュリティ」対策において最高評価のAリスト企業に選定されました。当社がAリストに選定されるのは、「気候変動」では初、「水セキュリティ」対策では5年連続5回目となります。
 

CDPは英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)であり、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。CDPは世界最大の環境データベースを有しており、そのスコアは、持続可能でレジリエントなネットゼロ経済に向けた投資や購買の意思決定に広く活用されています。2024年には、142兆米ドル以上の資産を持つ700社以上の署名金融機関が、CDPのプラットフォームを通じて環境への影響、リスク、機会に関するデータの開示を要請し、過去最多の約24,800社の企業がこれに応じました。
 

CDPは詳細かつ独立した手法でこれらの企業をスコアリングし、最も優れた企業を「Aリスト」として毎年認定しています。
 

当社では、より健全な地球環境を次世代に継承するために気候変動や生物多様性に配慮した迅速かつ効果的な環境活動を社会に先駆けて実践するよう注力しております。環境への影響や持続可能性への取り組みの透明性を高めるため、これらの活動の開示は非常に重要となります。特に気候変動分野では、長期目標として2050年CO2排出ネットゼロを掲げ、その推進に向けた2030年度までの目標についてSBTiによる認定を取得しています。今回の選定はこうした活動が評価されたものと考えています。
 

今後とも、経営理念に基づき事業を通じた社会課題解決を目指すことを基本とするとともに、長期ビジョンである「TDK Transformation」を掲げ、サステナブルな未来の実現に貢献して参ります。

本文および関連する画像はhttps://www.tdk.com/ja/news_center/press/20250214_01.htmlからダウンロードできます。


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インダクタ

2025年2月13日

車載PoC用大電流対応巻線インダクタの開発と量産

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  • 最大1650mAの大電流に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、車載PoC用巻線インダクタ 「ADL4532VKシリーズ」(L4.5mm×W3.2mm×H3.2mm)を開発し、2025年2月より量産を開始したことを発表します。 

ADASは複数の車載カメラやセンサー等により周囲の状況をセンシングして安全な運転をサポートしています。車載カメラは車のフロント、リヤ、サイドに配置され、その映像を支援システムで制御して安心安全な走行を実現しています。車載カメラの回路構成は、バッテリーを電源としてECUと呼ばれる制御回路を介して車載カメラに接続されています。ECUと車載カメラの接続には通常、信号線と電力線の2本で構成されていますが、PoCはこれらを1本の同軸ケーブルで実現する通信方式です。PoCは車内に配線されたケーブルを削減できるメリットがあり、車両重量の軽量化と低燃費化を実現します。さらには二酸化炭素の排出を抑制し、クリーンな地球環境に貢献します。

PoCは信号を処理する前に、信号と電力を分離するために複数のインダクタで構成されたフィルタが必要になります。ADL4532VKシリーズは、独自の材料設計と構造設計により数十MHzから数百MHzの広い周波数帯域で高いインピーダンスを実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献します。最大1650mAの大電流に対応可能であり、従来の車載カメラに加えて赤外線カメラやディスプレイなど高機能化のニーズに対応します。また、高温環境での使用を想定した製品設計により、動作温度範囲上限が155°Cとなる高信頼性インダクタです。

今後も車載PoC用インダクタ開発を巻線工法に加え、積層、薄膜の3種の工法を用いた最適化設計により、市場ニーズに対応した豊富なラインアップの拡充を行いPoC伝送信号の品質向上に貢献して参ります。

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 車載PoC回路 

主な特長と利点

  • 最大1650mAの大電流に対応
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献
     

語彙集

PoC:Power over Coaxの略称。同軸ケーブルを用いた電力伝送
ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略称。先進運転支援システム
ECU:Electronic Control Unitの略称。自動車における各種機能を制御する装置の総称

 


 

主要データ

製品名インダクタンス
[μH] ±20% @100KHz
直流抵抗
[ohm] max.
Isat.
[mA] typ. 25deg.C
Itemp.
[mA] typ. 105deg.C
Itemp.
[mA] typ.125deg.C
ADL4532VK-3R0M-TL0003.00.125210016501300
ADL4532VK-100M-TL00010.00.23512501200940
ADL4532VK-160M-TL00016.00.470950830640
Isat.25°C: インダクタンス変化率に基づく場合(公称インダクタンス値に対して –30% 以下)
Itemp.105°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 50°C)
Itemp.125°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 30°C)


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積層セラミックコンデンサ

2025年1月22日

車載/一般用C0G特性1,250V品3225サイズで業界最大静電容量の積層セラミックコンデンサの開発と量産

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  • 車載/一般用C0G特性1,250V品で3225サイズの10nF品を新たにラインナップ(高耐圧化を実現)
  • セットの部品数削減や小型化に貢献
  • AEC-Q200に対応(車載グレード品) 

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の車載用「CGAシリーズ」と一般用「Cシリーズ」のC0G特性1,250V品で、業界最大静電容量*となる3225サイズ(L3.2mm×W2.5mm×T2.5mm)10nFの製品を開発し、2024年12月から量産を開始したことを発表します。

昨今、高温対応・高耐圧の特徴を持つSiCを用いた回路の採用や、電気自動車の充電時間短縮のため、回路の高電圧・大電流化が進んでいます。その際、使用される共振回路向けコンデンサおよびスナバコンデンサに対して、高耐圧化の要求が高まっています。

C0G特性品は温度や電圧変化時の静電容量変化が非常に小さいため、共振回路向けコンデンサやスナバコンデンサとして最適です。本製品は製品設計、工程設計の最適化により、C0G特性品の高耐圧化を実現しました。これにより高電圧回路への対応やMLCCの直列実装数削減が可能となり、セットの部品数削減や小型化に貢献します。さらに、自社従来品対比で通電時の発熱量の低減も実現しており、セットの熱対策にも貢献します。今後も更なるラインナップの拡充を図り、お客様のご要求へ対応してまいります。

* 2025年1月現在、TDK調べ

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 共振回路向けコンデンサ
  • スナバコンデンサ
     

主な特長と利点

  • 温度や電圧変化時の静電容量変化が非常に小さいC0G特性
  • 3225サイズで1,250Vの高耐圧化による、セットの部品数削減や小型化
  • AEC-Q200に対応した高信頼性
     

語彙集

AEC-Q200:Automotive Electronics Councilの略。車載向け受動部品の規格。

 

 

主要データ

製品名*外形寸法 
[mm]
温度特性定格電圧 
[V] 
静電容量 
[nF]
静電容量許容差
[%]

CGA6P1C0G3B103G250AC keyboard_arrow_right

3.2 x 2.5 x 2.5C0G1,25010

±2

CGA6P1C0G3B103J250AC keyboard_arrow_right

±5

C3225C0G3B103G250AC keyboard_arrow_right

±2

C3225C0G3B103J250AC keyboard_arrow_right

±5

*CGAは車載グレード品、Cは一般グレード品。
サンプルのご購入は、製品名をクリック後に表示される製品ページから可能です。


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積層チップバリスタ

2024年12月17日

TDK、環境負荷が小さいSMDバリスタ「Xシリーズ」を開発

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TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、新しい表面実装型積層バリスタ「Xシリーズ」を開発しました。このXシリーズは業界で初めて、厳しい自動車用認定要件を満たしながら、二酸化炭素(CO2)排出量を削減した新シリーズです。主なアプリケーションは自動車、産業機器、民生機器です。Xシリーズは、高い信頼性と性能を維持しながら、環境負荷が小さい製品への需要の高まりに応えるとともに、高いコストパフォーマンスも実現しています。

Xシリーズの5種類の部品は、AEC-Q200規格に準拠した車載用部品であり、部品番号の「X」の後に「1」が付くことで識別が可能です。これらは一般的に、ロードダンプやジャンプスタートなどの事象に起因するバッテリーラインの一時的な過電圧から、車両のエンジンマネジメントシステム、電子制御ユニット(ECU)、エアバッグ、ABS、ESPなどを保護するために使用されます。XシリーズはIEC 61000-4-2に準拠した最大30kVのESD保護を提供し、ISO 7637-2/16750-2に準拠した自動車パルスにも対応しています。

4つのEIAパッケージサイズ(0603、0805、1206、1210)におけるそれぞれの最大許容回路電圧は14V、25V、30Vであり、電圧変動に対する応答時間は10psから500psの範囲です。定格DC電圧および室温ではわずか1µAから25µAのリーク電流を維持しながら、8/20µsパルスでは5Aから400Aのサージ電流を処理します。動作温度は-55°Cから+150°Cの範囲で、高温でも定格電圧を下げることなく使用できます。

Xシリーズは、産業用および民生用アプリケーション向けの過電圧保護部品の包括的なラインナップに拡大しています。PSpice用のシミュレーションモデルも利用可能です。
 

 

特徴とアプリケーション

主な用途

過渡過電圧保護対象:

  • 車載バッテリーライン
  • エンジンマネジメントシステム
  • 電子制御ユニット(ECU)
  • エアバッグ、ABS、ESPなど



     

主な特長と利点

  • IEC 61000-4-2に準拠した最大30kVの信頼性の高いESD保護
  • ISO 7637-2/16750-2 に準拠した自動車パルスに対応
  • ロードダンプおよびジャンプスタート保護
  • 低リーク電流
  • AEC-Q200 準拠(X1シリーズ)
  • +125°Cまで温度ディレーティングなし(X1シリーズは+150°Cまで)
  • 高耐久性
  • 安定した保護レベル

     

主要データ

製品名最大許容回路電圧 
VRMS [V]
バリスタ電圧 V
(1 mA, +25 °C)
最大サージ電流 
Isurge,max [A] (8/20 μs)
外形寸法[mm]
B72500X1250L0602551.9 … 70.151.6 x 0.8 x 0.9
B72510X1140S1621422.0 … 27.01202.0 x 1.25 x 1.4
B72520X1300K0623042.3 … 51.72003.2 x 1.6 x 1.7
B72530X1140S1621422.0 … 27.04003.2 x 2.5 x 1.7
B72530X1250K0622535.1 … 42.93003.2 x 2.5 x 1.7


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インダクタ

2024年12月12日

業界最小サイズの電源系薄膜インダクタの開発と量産

 Bild_w_background_jp
  • 電源回路に使用されるインダクタとして業界最小サイズ*
  • 低損失金属磁性材料で高い電源効率を実現
  • 薄膜工法による高精度な内部電極形成

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、ウェアラブル用小型薄膜インダクタ 「PLE856Cシリーズ」(L0.8mm×W0.45mm×H0.65mm)を開発し、2024年12月より量産を開始したことを発表します。

ウェアラブル機器のワイヤレスイヤホンやスマートウォッチ等は、近年の多機能化、高性能化により部品点数は増加する一方、部品の実装スペースは限られているため、電子部品の小型化が求められています。これらの機器はリチウムイオン電池をバッテリーとして電源回路を構成しています。その電源回路に使用されるインダクタにおいて当社は「PLE856Cシリーズ」で業界最小サイズを実現し、機器設計の省スペース化、軽量化に貢献します。従来製品「PLEA67Bシリーズ」(L1.0mm×W0.6mm×H0.8mm)と比較して、実装面積比で40%、体積比で50%小型化しました。

当製品は、小型サイズでありながらTDK独自の薄膜工法技術により内部電極となる導体パターンの高精度な形成を実現しました。また、低損失金属磁性材料により消費電力を抑制し、電源回路の高効率化に貢献します。

今後もウェアラブル機器用に薄膜工法の特長を活かしたさらなる小型化と最適化設計による高特性インダクタの開発を推進し、豊富なラインアップの拡充で市場ニーズに対応して参ります。

*2024年11月現在、TDK調べ。

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • ワイヤレスイヤホン(TWS)、スマートウォッチ、AR/VR、小型電源モジュール、小型通信モジュール

主な特長と利点

  • 電源回路に使用されるインダクタとして業界最小サイズを実現し省スペース化に貢献
  • 低損失金属磁性材料で高い電源効率を実現
  • 薄膜工法による高精度な内部電極形成

主要データ

製品名インダクタンス
[μH] ±20%
直流抵抗
[m ohm] Typ.
直流抵抗
[m ohm] max.
Isat.
[A] max.
Isat.
[A ]max.
Itemp.
[A] Typ.
Itemp.
[A] max.
PLE856CBAR47M-1PT000.471802100.720.620.900.80
PLE856CBA1R0M-1PT001.03504200.520.420.720.62
PLE856CCA1R5M-1PT001.54505200.400.330.620.52
Isat: インダクタンス変化率に基づく場合(初期L値より30%低下)
Itemp: 温度上昇に基づく場合(自己発熱による温度上昇40 °C)


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Corporate

2024年10月29日

NEOM McLaren Formula E チーム及びMcLaren Shadow F1 Sim Racing チームと戦略的技術提携を締結

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  • 今回の提携は「Driving Transformation for Performance and Passion within」をテーマとし、当社の長期ビジョンである「TDK Transformation」の実現に向けた活動として推進します。
  • 当社の製品は 、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11からNEOM McLaren Formula E チームが使用するレーシングカー日産 e-4ORCE 05に採用されています。
  • TDK UnitedのエンジニアがMcLaren Racingや関連するパートナーとともに先進技術を搭載するEVやゲームの領域において今後協業していきます。

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)はマクラーレン レーシングと、イノベーションとテクノロジーの新たな高みを目指し、複数年にわたる戦略的技術提携を締結したことを発表します。当社とマクラーレン レーシングは、テクノロジー、イノベーション、サステナビリティに対する情熱とコミットメントに共感し、この活動を推進します。

今回の提携は、両者が共有する価値観とビジョンに基づくものであり、フォーミュラEの最先端の電気自動車(EV)モータースポーツプラットフォームと、成長を続けるeスポーツ分野において両者の技術的知見を融合し、更なる技術革新を追及することが目的です。技術パートナーとなる当社は、EVやゲーム、さらにその先の未来のテクノロジー開発を推進するための実験場として、モータースポーツとeスポーツを活用していきます。

技術提携の背景

NEOM McLaren Formula E チームは「To move racing forward」をテーマに、高いレベルの専門技術とともにモータースポーツにおける多くのイノベーションと実績を誇ります。一方、「創造によって文化、産業に貢献する」を社是とする当社は、現在EVおよびそのインフラの進化を積極的に支援しています。当社の製品は、日常で触れる多くのデバイスに中で使われており、見えないところで人々の生活を下支えしています。世界の大手OEMおよびTier-1サプライヤーの戦略的なパートナーとして、世界各地の主要研究開発拠点から受動部品、センサ、電源、その他各モジュールやシステムを含む幅広い製品および技術を提供しています。

フォーミュラEは、未来の一般EV市場に影響を与える可能性を秘めた最先鋭のEV技術の実験場です。すでに当社の製品は 、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11からNEOM McLaren Formula E チームが使用するレーシングカー日産 e-4ORCE 05に採用されています。さらにマクラーレン レーシングには、F1シミュレーションゲームに特化した「McLaren Shadow」というプロのeスポーツチームがあります。 現在、当社はゲーム業界へも様々なテクノロジーや製品を提供しています。このマクラーレンとの技術的提携を、ゲーム分野においても推進していきます。

マクラーレン レーシングと当社の専門知識を融合することにより、両者は最先端のテクノロジーでEVとゲーム分野において更なる技術革新を加速していきます。 互いのイノベーションから学び合い、限界を超え続けることで、両者の新たな未来の可能性を切り開くことになると確信しています。

共通のビジョンと価値観「United」

当社は、世界中のTDKグループ各社から、さまざまな経歴や専門性を持つ多様なチームメンバーが“TDK United”として集まり活躍しています。当社とマクラーレンレーシングは共に、モータースポーツでの成功は単に最速の車をつくることではない、と考えています。それには、様々なチームメンバー達が、イノベーションへの情熱とテクノロジーや性能への献身によって課題を解決していくチームワークが欠かせません。エンジニア、デザイナー、ドライバー、そしてストラテジストたちが協力して課題を克服し新たな領域を切り開き、「United」なチームとして新たな高みに達した時、真の成功が実現すると信じています。

マクラーレン レーシングとの技術提携を通じ、TDKはそのテクノロジーをさらに磨き、EVおよびゲーム領域の進化に貢献していきます。当社 の長期ビジョン「TDK Transformation」において「Accelerating transformation for a sustainable future」は重要なメッセージであり、サステナビリティやテクノロジー、イノベーションを重視するグローバル企業としてのコミットメントです。当社はグローバルリーダーを目指し、人々の日常生活を豊かにする未来のテクノロジーを可能にするべく、情熱をもって取り組んでいます。

マクラーレン レーシングCEOザック・ブラウンのコメント
「TDKとマクラーレン レーシングは、テクノロジーのイノベーションによって常に限界を超えて挑戦し続ける2つのブランドです。 このパートナーシップを通じ、両者が互いにモータースポーツと自動車産業での洞察と学びを共有することで、その技術革新の旅をさらに加速させて行くことを嬉しく思います。これからのフォーミュラEシーズン、そしてF1 Sim Racing チームも同様に、TDKとレースを共にすることを楽しみにしています。」

TDK株式会社 齋藤 昇 社長執行役員CEOのコメント
「この技術提携の発表を大変光栄に感じています。 1935年に創立したTDKは、これまで様々な分野・製品で多くの社会への貢献をしてきました。これからの社会の発展にEVは欠くことのできない重要なアプリケーションの一つになるでしょう。また、若い世代に支えられゲーム業界は拡大を続けており、未来の社会でもより大きな存在になっていくでしょう。

当社と価値観を共有する革新的なマクラーレンチームとの提携のもと、当社は自らのテクノロジーをさらに進化させ、社会に貢献していきます。EVとゲーム領域で新たな技術革新に挑戦するこの実験場において、今後マクラーレンの技術エキスパートと当社のエンジニアが“United”チームとして互いに切磋琢磨する姿を思い浮かべると、とてもワクワクします。この提携を通じて相互に学ぶことがサステナブルな変革を推進し、先進的なグローバルテクノロジー企業としての当社の地位を強化すると、私は確信しています。当社は長期ビジョン「TDK Transformation 」の一環として、人々の日常生活を向上させる未来のテクノロジーを実現できるグローバルリーダーとして、情熱を持って技術革新に取り組んでいきます。」

当社はこれからも技術革新を通じて変革を続け、社会への貢献を継続していきます。

 Bild 1

NEOM McLaren Formula E チーム

 Bild 2

McLaren Shadow F1 Sim Racing チーム


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2024年10月9日

世界初、スマートグラスで4Kを実現可能にする可視光フルカラーレーザー制御デバイスを開発

  • AR/VRスマートグラス用超小型フルカラーレーザーモジュールに必要な可視光フルカラーレーザー制御デバイスをニオブ酸リチウム(LiNbO3)薄膜を用いて開発に成功
  • 従来は電流で制御することにより色を変えていたのに対し、ニオブ酸リチウム薄膜を用いることで電圧での制御が初めて可能となり、制御速度が従来対比10倍
  • 高速制御により4K以上の映像解像度も可能に
  • 株式会社QD レーザ(以下、QDレーザ)と共同で網膜直接描画の映像デモを行い、ニオブ酸リチウム薄膜デバイスのAR/VRスマートグラス用映像デバイスとしての機能実証に成功
     

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)薄膜を用いたスマートグラス用可視光フルカラーレーザー制御デバイスの開発に世界で初めて成功しました。当該デバイスのデモンストレーションを、本年10月15日から開催されるCEATEC 2024に出展します。

最大の特長は、従来の可視光レーザーの色制御と比較して、ニオブ酸リチウム薄膜を用いることで10倍以上高速な可視光制御が可能となることです。従来の可視光レーザーは電流で制御することにより色を変化させていましたが、ニオブ酸リチウム薄膜に印加する電圧制御により色を変化させるため高速制御を実現しました。これにより、高速制御が必要となる4K以上の映像解像度に対応でき、電圧制御になることで低消費電力化にも期待できます。

また、AR/VRスマートグラスに向けた機能実証のために株式会社QDレーザ(以下、QDレーザ)と共同開発で映像動作実証を行いました。QDレーザが有する網膜直接描画技術と組みあわせることに成功し、ニオブ酸リチウム薄膜を用いたデバイスが映像デバイスとして機能することを確認しました。

現在、ニオブ酸リチウムはBeyond 5G-6Gなどの長距離高速光通信分野において大きな注目を集めていますが、近赤外光での応用に注目が集まり、可視光への展開はほとんど検討されてきませんでした。当社ではAR/VRスマートグラス用フルカラーレーザーモジュールの開発において、可視光レーザーの将来的な速度限界を打破する手段としてニオブ酸リチウムに着眼しました。研究開発の結果、赤、緑、青の光三原色全ての色を制御できることを確認しました。

今回のデバイス製造においては、従来のバルクを用いてニオブ酸リチウムを基板に貼り付ける手法ではなく、大量生産に適したスパッタ法で薄膜形成を実現したこともひとつの特徴です。当社のこれまで培ってきた独自の薄膜形成技術を応用することで、スパッタ法によるニオブ酸リチウムデバイスの製造と動作確認に初めて成功しました。

今回のデバイス開発成果は、AR/VR用スマートグラス向け映像デバイスだけでなく、今後大きな成長が期待される分野へも展開が可能です。具体的には、DXなどによるデータ量の急拡大に直面しているデータセンターでの高速光通信や、今後の性能向上のために技術開発が必要となる生成AIにおける高速光配線など、ニオブ酸リチウムデバイスのさらなる用途拡大を検討していきます。
 

主な特長と利点

  • ニオブ酸リチウム薄膜を用いることで、従来可視光レーザーの限界を突破。高速、電圧制御が可能に
  • ニオブ酸リチウム薄膜による変調素子を用いて、網膜直接描画の映像デモ実証に成功

     

語彙集

AR: Augmented Reality

VR: Virtual Reality

LiNbO3: Lithium Niobate


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2024年10月2日

スピントロニクス技術を用いたニューロモルフィック素子を開発、AI消費電力1/100可能なニューロモルフィックデバイスの実用化に向けてCEA及び東北大学と連携

  • 耐環境性と安定した記録動作が可能なスピンメモリスタを開発
  • CEAの協力を得て、TDKが開発したスピンメモリスタはニューロモルフィックデバイスの基本素子として機能することを実証
  • 実用化に向けて半導体工程における試作について東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターと連携
  • CEAと東北大学との国際連携で開発を推進

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、スピントロニクス技術を用いた超低消費電力のニューロモルフィック素子、スピンメモリスタを開発したことを発表します。スピンメモリスタがニューロモルフィックデバイスの基本素子として機能することをフランスの原子力・代替エネルギー庁(Commissariat à l'énergie atomique et aux énergies alternatives:CEA)(以下、CEA)の協力を得て実証し、今後は実用化に向けて東北大学の国際集積エレクトロニクス研究開発センター(以下、東北大学)と連携していきます。消費電力を100分の1に低減できるニューロモルフィックデバイスの実用化を目指し、産学官の国際連携で開発を推進します。

近年のAIの発展やビッグデータの活用によりDX化が進み、生活が豊かになる一方で、膨大なデータの演算処理やAIの発展に伴う電力消費の増大という課題が更に顕在化してくることが予想されます。当社はDXに貢献すると共に、DXによる社会課題の解決にも貢献します。

人間の脳はおよそ20Wで動作しており、現在使われているデジタルAI計算と比較して、より複雑な判断を行うことができる超低消費エネルギーデバイスと言えます。ニューロモルフィックデバイス開発においては、人間の脳のシナプスとニューロンを電気的に模倣したデバイスを開発することを目指しており、メモリスタは脳のシナプスを模倣した素子です。従来の記録素子は0もしくは1のデータを記録するデジタル記録に対し、当社のスピントロニクス技術を用いて開発したスピンメモリスタは、脳と同じようにアナログで記録できることが特徴です。これによって脳で行っているような複雑な演算処理が低消費電力で可能となります。これまでの既存のニューロモルフィックデバイスに用いられているメモリスタは、抵抗の経時変化や正確なデータ書き込みには制御が困難、データを保持させるために制御が必要といった課題がありました。スピンメモリスタはそれらの課題を解決できる素子として、耐環境性と安定した記録動作が期待でき、リーク電流を低減することで省電力化が実現できます。

当社は2020年からCEAと連携を開始し、スピンメモリスタを用いたAIデバイスの開発に取り組んでいます。CEAの協力を得ることで、スピンメモリスタ(3素子×2セット×4チップ)を搭載したAI回路を開発し、音声分離デモンストレーションで機能することを確認しました。これによって、AI回路においてスピンメモリスタが基本素子として機能することを実証しました。
このデモンストレーションでは、3種の音声(音楽とスピーチとノイズ)を任意の比率で混ぜても、開発したAI回路が3種の音声をリアルタイムで学習しながら分離することができます。一般的な機械学習では事前に学習したデータに基づいてAI動作をさせることに対して、本デバイスは環境の変化をリアルタイム学習できることが特徴です。

 Bild1

TDKが開発したスピンメモリスタを搭載したセラミックパッケージ

 Bild2

セラミックパッケージを4つ搭載したAI回路基板

この度、当社はスピンメモリスタがニューロモルフィックデバイスの基本素子として機能することを確認し、要素開発のステージから実用化に向けた開発ステージにプロジェクトを移行します。実用化に向けた製品製造においては半導体製造工程とスピントロニクス製造工程の融合が必要となります。スピンメモリスタと類似した製品であるMRAMの製造ではこの融合が実現されており、当社はMRAMの研究・開発で有力な学術機関である東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター(遠藤哲郎 センター長)と共同で、融合技術開発を推進することを決定しました。

今後当社は、CEAと東北大学との産学官の国際連携で、AI消費電力を100分の1に低減できるニューロモルフィックデバイスの開発を推進していきます。

CEAからのコメント
Senior Fellow
Dr. Marc Duranton
「TDKとCEAの相乗効果は顕著であり、互いの専門知識が補完し合うことで、非常に創造的かつ建設的な協力関係が育まれています。この研究パートナーシップは、現代のAIアプリケーションの需要の高まりに応え、より持続可能で信頼性が高く、非常に効率的なソリューションの開発という新たな分野を開拓しています。」

東北大学からのコメント
国際集積エレクトロニクス研究開発センター
センター長、 教授
遠藤 哲郎
「今後の情報化社会にとって、AI半導体は非常に重要であるが、AI処理能力の向上と低消費電力化が、喫緊の課題である。この社会的要請に鑑みて、メモリスタ技術とスピントロニクス技術を融合するTDK様の本AI半導体開発プログラムは非常に重要です。東北大学が保有する学術的知見と12インチ試作ラインでのモノづくり技術などで、東北大学が本事業に貢献できるように頑張って参ります。」

主な特長と利点

  • AI計算における消費電力を脳の計算エネルギーに近づける技術
  • スピントロニクスを用いたスピンメモリスタ
  • スピンメモリスタはこれまでのメモリスタの信頼性の課題を解決できる
  • 産学官の国際連携で、AIにおける社会問題の解決を目指す
     

語彙集

スピントロニクス : 電子が持つ電荷とスピンの両方、あるいはスピンの要素を用いる技術

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インド

2024年9月26日

ドイツ電気・電子工業会より3つの賞を受賞

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TDKは、インドの電子機器業界団体であるELCINAから3つの栄誉ある賞を受賞しました。そのうち2つは、パワーコンデンサ分野における優れた革新性と環境保護および持続可能な開発に対して授与された最優秀賞です。さらに、TDKはインドの電子機器分野の発展に著しく貢献したとして、審査員特別賞も受賞しました。

「イノベーション、持続可能性、エレクトロニクス分野への貢献への取り組みがELCINAに認められたことを非常に誇らしく思います」と、TDKインドの会長兼最高経営責任者(CEO)であるプラバル・レイ氏は述べています。「当社のハイエンド製品や、ナシクにおける宮脇方式の森の創設などの取り組みは、環境保護に配慮しながら技術の限界に挑むというTDKインドの強い意志の表れです。当社の持続可能性への取り組みは、イノベーションと責任が両立するという信念によって推進されています。」

優れたイノベーションに対して贈られる最優秀賞は、PECMKPACDCコンデンサの開発と製造に対して授与されました。これらの製品は、性能、信頼性、現代の電気的用途への適応性の向上により、高い評価を得ています。賞は、PFCの研究開発部門のチーフマネージャーであるアナン・マラテ氏が受け取りました

ELCINAは、ナシクの敷地に宮脇方式による「宮脇の森」を植樹するという同社の取り組みを評価し、環境保護と持続可能な開発部門で最優秀賞を授与しました。この森林再生への革新的なアプローチは、炭素隔離、生物多様性、緑化に大きく貢献する高密度で成長の早い森林を植樹するというものです。TDKを代表して、購買部門ゼネラルマネージャーのHitesh Chopadaがこの賞を受け取りました

最後に、TDKはインドのエレクトロニクス分野の成長と発展に大きく貢献したとして、特別審査員賞も受賞しました。TDKのインドにおける製造能力の拡大、新製品の投入、現地人材の育成への取り組みは、インドがグローバルなエレクトロニクスの拠点となるという同国の野心的な目標にとって不可欠であると評価されました。この名誉ある賞は、プラバル・レイ氏(TDKインド会長兼社長)、マイケル・チン氏(ECBCセールス&マーケティンググループ副部長)、ガガン・バンサル氏(TDKインド営業・マーケティング部長)が受け取りました。

 Gruppenbild en
図 1:

ニューデリーで開催された今年のELCINAアワードの授賞式にて。


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