TDK Electronics

積層セラミックコンデンサ

2025年6月26日

一般用100V品1608サイズで業界最大静電容量の積層セラミックコンデンサの開発と量産

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  • 一般用100V品で1608サイズの1μFを新たにラインナップ(大容量化を実現)
  • セットの部品数削減や小型化に貢献

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の一般用製品「C」シリーズにおいて、X7R特性100V品で業界最大の静電容量*となる1608サイズ(L1.6mm×W0.8mm×T0.8mm)の1µFの製品を開発し、2025年6月から量産を開始したことを発表します。

近年、システム効率の向上や電力損失の低減を目的として、AIサーバーやエネルギーストレージシステム、各種産業機器等で電圧の48V化が進んでおり、電源ラインで使用されるコンデンサとして定格電圧100VのMLCCの需要が高まっています。

「C」シリーズの100V品では、材料選定と製品設計の最適化により、同一サイズの自社従来品と比較して10倍の大容量化を実現しました。この新製品は従来品と比べて員数や実装面積を大幅に削減でき、セットの部品数削減や小型化に貢献します。今後も更なるラインナップの拡充を図り、お客様のご要求へ対応してまいります。

* 2025年6月現在、TDK調べ

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 一般、産業機器用48Vシステムの電源ICの入力コンデンサなど 
     

主な特長と利点

  • 1608サイズで1μFの大容量化による、セットの部品数削減や小型化

     

主要データ

製品名

外形寸法 
[mm]

温度特性

定格電圧 
[V] 

静電容量 
[μF]

C1608X7R2A105K080AC keyboard_arrow_right1.6 x 0.8 x 0.8X7R1001

サンプルのご購入は、製品名をクリック後に表示される製品ページから可能です。


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MEMSセンサ

2025年6月25日

エネルギー市場向け高温対応クローズドループMEMS加速度センサのラインアップ拡充

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TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、TronicsブランドのAXO315®T0を開発し、MEMS慣性センサのラインアップを拡充しました。本製品は、エネルギー市場におけるMWD(掘削時計測)用の高温対応MEMS加速度センサであり、±14gの入力範囲とデジタルインターフェースを備えています。 

AXO315T0は、高いレベルの振動整流と動作衝撃耐性を備えた独自のクローズドループ型アーキテクチャを採用することにより、動作温度範囲-30°C150°Cでバイアス残差0.8mgを実現しています。これにより、高温にさらされる方向性掘削ツールの正確で継続的な傾斜測定を可能にします。 

過酷な環境での複雑な掘削作業において最大限の生産性を確保するために求められる厳しい信頼性制約に対応するため、広範な信頼性試験を実施することによりAXO315T0の認定を行いましたこの中には、165°Cでの1000時間以上の通電寿命試験、-55°C165°Cにおける温度サイクル試験、および高温振動試験(20g RMSランダム振動と50g正弦波スイープの組み合わせ)が含まれています。 

AXO315T0は、高温で1000時間使用した後も再校正なしで標準的なバイアスドリフトが1mg未満であり、従来のクオーツ型加速度センサに代わる低SWaPのデジタルセンサを提供しています。これにより、性能を損なうことなく高温で長時間動作できる新世代のMWDツールに貢献します 

AXO315T0センサと評価ボードは、サンプル提供およびお客様による評価にご利用いただけます。最大175°Cの動作温度に耐える新しい加速度センサにより、エネルギー市場向けのMEMSポートフォリオをさらに拡充していきます 

特徴とアプリケーション

主な用途 

  • Measurement while drilling (MWD) 

  • Logging While drilling (LWD) 

  • Directional drilling 

  • Wireline 

 主な特長と利点 

  • 温度:-30°C150°C 

  • バイアス残差(Bias residual error):0.8mg 

  • 通電寿命(Powered lifetime): >1000 hours @ 150°C 

  • Vibration rejection: 20 μg/g² 

  • Noise density: 10 μg/√Hz 


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コーポレート

2025年6月19日

TDK、スマートグラスへのAI導入にむけ米国のSoftEyeを買収、更なるAIエコシステムへの貢献を強化

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  • AI/スマートグラス向け技術のリーディングカンパニーであるSoftEyeを買収 

  • 本買収により、スマートグラス向けの包括的なシステムの提供に向けて開発を加速し、視線によるAIとのインタラクションを可能にする新たなヒューマンマシンインターフェース(HMI)を実現 

TDK株式会社社長齋藤 昇は、本日、米国に拠点を置くシステムソリューション企業であるSoftEye, Inc.(CEO:テ・ウォン・リー、以下「SoftEye」)を買収したことを発表しますSoftEye はスマートグラス向けのカスタムチップ、カメラ、ソフトウェアならびにアルゴリズムを開発しており、今回の買収により、SoftEyeは当社の完全子会社となりますこの買収は、当社のAIエコシステム全体への貢献に向けた取り組みとして重要なマイルストーンであり、この市場におけるリーダーシップの確立を強化するものです。 

SoftEyeは米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を置き、ユーザーと生成AIをシームレスにつなぐビジョンを追求しています。同社のカスタムチップ、カメラ、ソフトウェアならびにアルゴリズムにより、「AIのための目」(eyeGenI™, eyeGI™) となるエンドツーエンドのシステムを実現します。SoftEyeの常時稼働型カスタムチップとセンサシステムは、独自のハードウェアおよびソフトウェアによるアイインテントテクノロジー(視線意図検出技術)を搭載し、低消費電力で高度なアイトラッキング(視線追跡)や物体認識を可能にします。この最先端技術はAR/VRディスプレイシステムに重要であり、また将来的には、視線の動きによってAIとコミュニケーションできる新たなヒューマンマシンインターフェース(HMI)を実現します。 

SoftEyeはアルゴリズム、カメラ、低消費電力チップ設計における専門知識を有しており、これによりTDKAR関連技術の消費者向けアプリケーションの領域においてリーダーシップを発揮します」と、当社執行役員のジム・トランは述べています。 

私たちは、ユーザーと生成AIをつなぐAIグラス向け技術を開発しており、これは人々とAIをより直感的かつ魅力的なユーザー体験で結びつけることができ、TDKのスマートグラスに関する戦略と合致しています」とSoftEyeCEOであるテ・ウォン・リーは続けます。「SoftEyeの革新的で低消費電力のアイインテントシステムは、視線の動きだけでAIとコミュニケーションできる新しいタイプのヒューマンマシンインターフェースを実現します。私たちは、システム、ソフトウェア、機械学習、カスタムチップにわたって、さらに高度に統合されたソリューションを提供できると信じています」 

SoftEyeの会社概要は以下のとおりです。  

  1. 1.    社 名:SoftEye, Inc. 

  2. 2.    所在地:本社 米国カリフォルニア州サンディエゴ 
    エンジニアリングチーム サンディエゴ/ソウル/台北 

  3. 3. 設立年月日:202232 

  4. 4. 経営陣 

  5. CEO: テ・ウォン・リー 

  6. エンジニアリング担当副社長: エドウィン・パーク 

  7. 機械学習担当リーダーラヴィシャンカ・シヴァリンガム 

  8. ソフトウェア担当リーダーアラヴィンド・ナタラジャン 

  9. 5. 主な事業:新興のスマートグラス市場向けに革新的なアイトラッキング技術を活用したハードウェアとソフトウェアの統合技術を提供 

  10. 6. AIグラスを実現するSoftEyeの主な技術について、詳細はこちらをご覧下さい:https://www.softeye.ai/ 

本文および関連する画像はhttps://www.tdk.com/ja/news_center/press/20250619-01-acquisition-of-SoftEye.html からダウンロードできます。 


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インダクター

2025年6月17日

TDK、業界トップクラスのシンプルさと効率性を備えた車載PoC用インダクタを発売

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TDK株式会社社長齋藤 昇は、パワー・オーバー・コアクシアル(PoC)アプリケーション向けに特化した高性能インダクター「ADL8030VA」を発売しました。広帯域で高いインピーダンスを実現したこのコンポーネントは、従来の2つ以上のインダクターを使用する方式に対し、単一のコンポーネントのみでPoCフィルター設計を簡素化します。これにより、スペース効率と信頼性が重要な先進運転支援システム(ADAS)やその他の自動車電子機器において、複雑さとコストを大幅に削減します。ADL8030VAにより、TDKはより接続性が高く安全な未来に向けたモビリティ変革を再び牽引していきます。 

標準構成では、ADASセンサー(自動車用カメラなど)は2つの独立した配線が必要です:1つはバッテリーに接続される電源線、もう1つは電子制御ユニット(ECU)に接続される信号線です。しかし、PoC技術を使用すると、単一の同軸ケーブルで電源とデータを同時に伝送できるため、配線ハーネスの簡素化と削減が可能です。 

ADL8030VAシリーズは、7.8 × 2.7 × 2.7 mm(長さ ×  × 高さ)のコンパクトなサイズながら、10 µHから100 µHのインダクタンス値と最大0.82 Aの定格電流範囲を特徴とし、-55 °Cから+155 °Cの広範な温度範囲と広帯域周波数特性において、信頼性の高い性能を提供します。22 µH以下のタイプでは直流抵抗が0.5 Ω未満と低いため、電力損失を最小限に抑え、全体的なエネルギー効率を向上させます。コンパクトな設計は、フェライトコア、端子に溶接されたエナメル銅線、難燃性成形品を採用し、高い機械的安定性を実現していますAEC-Q200規格に準拠し、過酷な自動車環境下での耐久性を確保しています。 

本文および関連する画像はwww.tdk-electronics.tdk.com/ja/250617. からダウンロードできます。 

製品の詳細情報は www.tdk-electronics.tdk.com/ja/smt_inductors. で参照できます。 

お問合せは marketing.communications@tdk-electronics.tdk.com . までお送りください。 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 自動車用電子機器 

  • 同軸ケーブル経由の電源供給 

  • 広帯域Tバイアスインダクター 



     

主な特長と利点 

  • PoCフィルタリング用に単一のコンポーネント 

  • 広帯域で高インピーダンス 

  • 高い機械的安定性 

  • AEC-Q200規格に準拠 

  • AOI(自動光学検査)に適しています 
     

主要データ

製品名 内部コード 定格インダクタンス  LR [µH] 直流抵抗  
Rtyp [Ω] 
定格電流  
Itemp (+25°C) [A] 
ADL8030VA-100MB82450A1002E000100.330.82
ADL8030VA-150MB82450A1502E000150.410.79
ADL8030VA-180MB82450A1802E000180.450.77
ADL8030VA-220MB82450A2202E000220.490.74
ADL8030VA-680MB82450A6802E000681.470.42
ADL8030VA-101MB82450A1003E0001002.210.33

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EMC対策製品

2025年6月3日

車載用3端子貫通型フィルタのラインナップ拡大と量産

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  • 車載用35V品で1005サイズの0.22µFと10V品で2012サイズの4.7µFを新たにラインナップ(高耐圧化と大容量化を実現)
  • セットの部品数削減や小型化、電圧変動や高周波ノイズの低減に貢献
  • AEC-Q200に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、3端子貫通型フィルタの車載用製品「YFF」シリーズで業界最大の静電容量*となる、35V品で1005サイズ(L1.0mm×W0.5mm×T0.4mm)の0.22µFと10V品で2012サイズ(L2.0mm×W1.25mm×T0.85mm)の4.7µFの製品を開発し、2025年6月より量産を開始したことを発表します。

車載電装機器の高機能化に伴い、セットの異常動作への対策が一層求められており、異常動作の要因となる電圧変動や高周波ノイズを低減するためにコンデンサが多数使用されています。その一方で、セットの小型化も進んでおり部品数の削減も求められています。これらの課題に対し、低ESL(等価直列インダクタンス)を特長とする3端子貫通型フィルタの需要が高まっています。

新製品は材料選定と製品設計の最適化により同一サイズの自社製品と比べ、6.3Vから35Vへの大幅な高耐圧化と、0.47µFから4.7µFへの大幅な大容量化を実現しました。35V品(挿入損失40dB:4MHz~2GHz)は電源系統の入力から出力まで従来品より幅広い電源ラインで使用可能で、4.7µF品(挿入損失30dB:300kHz~3GHz)は入力コンデンサとして従来品より電圧変動の低減と高周波ノイズ対策に効果的です。また、セットの使用条件によっては、同程度に電圧変動を抑制するために必要な部品数をMLCCから半減することも可能です。

*      2025年6月現在、TDK調べ
 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 車載電源ラインの平滑、フィルタ、デカップリング用途

主な特長と利点

  • 高耐圧化と大容量化によるセットの部品数削減や小型化、電圧変動や高周波ノイズの低減
  • AEC-Q200 に対応した高信頼性


     

語彙集

AEC-Q200 : Automotive Electronics Councilの略。車載向け受動部品の規格。
ESL:Equivalent Series Inductanceの略。等価直列インダクタンス。


 

主要データ

製品名

外形寸法 
[mm]

定格電圧 
[V]

定格電流 
[A]  

静電容量 
[µF]

挿入損失
[dB]

YFF15AC1V224MT0Y0N keyboard_arrow_right

1.00 x 0.50 x 0.40

35

2

0.22

40 dB
(4 MHz to 2 GHz)

YFF21AC1A475MT0Y0N keyboard_arrow_right

2.00 x 1.25 x 0.85

10

4

4.7

30 dB
(0.3 MHz to 3 GHz)



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インダクタ

2025年5月20日

0201mm形状高周波回路用インダクタの開発と量産

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  • 業界最小の0201mmサイズ*
  • 独自のパターニング技術と焼成技術による高い高周波特性
  • 積層工法の特長を生かし細かい刻みでインダクタンスをラインアップ
  • 動作温度は-55~+125°Cと広範囲に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、独自の高精度パターニング技術と焼成技術を使い、ワンサイズ上の従来製品「MHQ0402PSAシリーズ (L0.4mm×W0.2mm)」と同等の特性を有する業界最小サイズ0201mm形状(L0.25mm×W0.125mm×T0.2mm)の高周波インダクタ「MUQ0201022HAシリーズ」を開発し、2025年5月より量産を開始したことを発表します。インダクタンスレンジは0.6nH~3.6nHのラインナップを揃えています。

スマートフォンやウェアラブル端末向けを中心としたモバイル機器の高性能化・小型化に伴い、高性能な小型部品のニーズが高まっています。当社では、TDK独自のパターニング技術と焼成技術を適用することで従来製品同等以上の高周波特性を実現しつつ、実装面積を約1/2にすることを可能にしました。今後も更なるラインアップの拡充を図り、お客様のご要求へ対応してまいります。

* 2025年5月現在、TDK調べ

特徴とアプリケーション

主な用途

  • モバイル機器用高周波フロントエンドモジュール向けインピーダンスマッチング
  • ウェアラブル機器向けインピーダンスマッチング

     

主な特長と利点

  • 当社独自の高精度パターニング技術と焼成技術によりワンサイズ上の従来製品と同等以上の高周波特性を実現
  • 特性は維持したまま実装面積を0402mm形状比で約1/2に削減


     

語彙集

高周波回路用インダクタ:インダクタ製品の中で、高周波帯域(GHz帯)で使用可能なインダクタ

 

主要データ

製品名外形寸法[mm]インダクタンス [nH] 

MUQ0201022HAシリーズ

0.25 x 0.125 x 0.2

0.6 - 3.6

※代理店経由での販売は実施しておりません。お問い合わせについては、以下お問い合わせフォームよりご連絡をお願いします。ログイン | myTDK



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EMC対策部品

2025年5月13日

電源回路用積層大電流チップビーズの開発と量産

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  • 最大8Aの大電流対応
  • 部品点数の削減、実装面積の省スペース化の実現
  • 車載用途の高温環境下で使用可能な高信頼性

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、電源回路用の積層大電流チップビーズ 「MPZ1608-PHシリーズ」(L1.6mm×W0.8mm×H0.6mm)を開発し、2025年5月より量産を開始したことを発表します。

1608(L1.6mm×W0.8mm)サイズの電源回路用チップビーズでは、業界最高水準の定格電流8A*を実現しました。チップビーズは信号系回路以外に電源回路でもノイズ対策部品として使用されます。これまで8A以上流れる回路では、チップビーズを並列に2個以上使用することが一般的な回路構成でしたが、各々に流れる電流が不規則になるデメリットもありました。本製品は従来より少ない部品での回路構成を実現し、電源回路の品質向上、部品点数の削減、また部品実装面積の省スペース化に貢献します。

MPZ1608-PH シリーズは、従来の1608サイズを2個使用した場合の回路構成と比較し、部品実装面積を約50%削減します。また、車載、産機用途での高温環境下での使用を想定した製品設計により、動作温度範囲上限が12
5°Cとなる高信頼性チップビーズです。

今後も市場ニーズに対応した独自の材料設計と構造設計により、高い定格電流のラインアップの拡充を車載、産機、民生用各分野で図り、EMC対策部品として電源回路の品質向上に貢献して参ります。

* 2025年5月現在、TDK調べ
 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 各種機器の電源回路
    車載各種ECU、パワートレイン、車体制御、カーマルチメディア(テレマティクス)基地局、PC、サーバー、セットトップボックス、スマートグリッドやロボット、スマートフォン、タブレット端末等
     

主な特長と利点

  • 最大8Aの大電流対応
  • 部品点数の削減、実装面積の省スペース化の実現
  • 車載用途の高温環境下で使用可能な高信頼性

     

語彙集

EMC:ElectroMagnetic Compatibilityの略称。JIS(日本産業規格)では電磁両立性と定義。

 

主要データ

製品名用途インピーダンス
[ohm] 
@100MHz
直流抵抗
[ohm]
max.
Itemp
[A] max.
+85 °C
Itemp
[A] max.
+125 °C

MPZ1608SPH220ATAH0

民生用

22 ± 7

0.004

8

5

MPZ1608SPH220ATDH5

車載用

22 ± 7

0.004

8

5



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コーポレート

2025年4月15日

世界初、次世代AIに向けてデータ通信速度を10倍にする超小型光電融合素子「Spin Photo Detector」を実証

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  • 従来の半導体を用いた光検知の10倍にあたる800nmの波長の光で20ピコ秒の超高速応答 

  • 独自コンセプトで光を検知する磁性デバイスを開発し、近赤外光と可視光ともに検知可能 

  • 基礎物理研究の実績を有する日本大学と共同で動作実証に成功 

  • 更なるAI進化によるデータ処理速度向上と消費電力削減を期待される光電融合技術に応用可能 

TDK株式会社社長齋藤 昇は、波長800nmの光を20ピコ秒 (20×10-12という超高速で光を検知できる素子「Spin Photo Detector(スピンフォトディテクタ)」を開発し、日本大学と共同で、世界で初めて*原理実証に成功しました。これは従来の半導体を用いた光検知素子と比較して10倍以上の反応速度です。AI進化によるデータ処理速度向上と消費電力削減という社会課題の解決が期待されている光電融合(Photoelectric Conversion)分野において、スピンフォトディテクタは重要なデバイスとして応用可能です。  

AIの更なる進化には、これまで以上に膨大なデータを高速且つ低消費電力で転送する必要があります。現在、データ処理や演算を行うCPUGPUのチップ間、それらとメモリの間の通信は電気信号で行われています。通信速度としては高速且つ配線距離が長くなっても通信速度が低下しない光通信や光配線の必要性が増していますが、それら光学素子と電子素子と融合させてコンパクトに実現する手段として、光電融合技術が世界中で注目されています 

こうした課題に対して、当社はHDD用磁気ヘッドで培った、電子と磁性を組み合わせたMTJ素子というスピントロニクス素子の技術を応用しました。このスピントロニクス素子の大きなメリットの一つは、単結晶基板を用いた結晶成長を必要とせず、基板材料を選ばずデバイスを形成できることです。これは、従来の光検知素子(Photodetector)が半導体単結晶基板を必要とし、それらの直上に形成しなければならないとは対照的です。この要素は複数技術の融合をコンパクトに実現する必要がある光電融合分野においては大きなメリットとなるため、MTJ素子での光検知するスピンフォトディテクタというコンセプトを提案し、実験を行ってきました。 

スピンフォトディテクタが用いる動作原理は、電子加熱という超高速で磁性材料が光に応答する物理原理を応用します。この物理現象に関して世界で先駆的な基礎研究実績のある日本大学との共同開発を行い、波長800nmの光を用いて超高速光パルスを照射し、20ピコ秒 (20×10-12という超高速でスピンフォトディテクタが応答することを実証しました。従来の半導体光検知素子(Semiconductor Photodetector)では、波長が短くなるほど高速動作が困難になるという物理原理上の制約がありますが、スピンフォトディテクタでは動作原理が全く異なり、電子加熱現象を用いるため、波長が短くなっても超高速動作が可能です。また、動作波長領域も広く、可視光から近赤外光まで動作することを確認しました。 

可視光の高速検知も可能となったことにより、今後ますます成長が期待されるAR/VR用スマートグラス向けのデバイスの応用([1], [2])や、高速撮像素子などの応用も将来的には期待されます。また、従来の半導体光検知素子は宇宙線耐性が弱いという課題があることに対し、MTJ素子は宇宙線耐性が強いことでも知られており、航空宇宙用途での光検知素子としての活用も期待されます。今後、本成果をもとに高速の光検知素子としての完成度を高め、有用性をさらに追及し、社会トランスフォーメーションに貢献していきます。 

*   20254月現在、TDK調べ 

特徴とアプリケーション

主な用途 

  • データセンター、生成AI用光通信・光配線の受光素子 

  • AR/VR用光検知素子  

主な特長と利点 

  • 従来の光検知素子が半導体素子であるのに対し、磁性素子であるMTJ素子を用いて光検知を実現 

  • 超高速で光検知可能 

  • 近赤外光から可視光まで、広波長領域で超高速光検知可能 

  • 基板を選ばず、色々なデバイス上に作成可能 

  • データセンター、生成AI用光通信・光配線や、AR/VRといった分野への展開が可能 
     

語彙集

  • AI: Artificial Intelligence 

  • Photoelectric Conversion: 光電融合。光素子と電子素子をコンパクトに組み合わせる技術のこと。 

  • Photo-Spintronic Conversion: 光電磁融合。光素子、電子素子、磁性素子を組み合わせた、TDKの造語。 

  • HDD: Hard Disk Drive 

  • CPU: Central Processing Unit 

  • GPU: Graphics Processing Unit 

  • Spin: 磁性を意味する用語 

  • MTJ: Magnetic Tunnel Junction 

  • AR: Augmented Reality 

  • VR: Virtual Reality   

     


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積層セラミックコンデンサ

2025年4月14日

車載用100V品3225サイズで業界最大静電容量の積層セラミックコンデンサの開発と量産

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  • 車載用100V品で3225サイズの10μFを新たにラインナップ(大容量化を実現)
  • セットの部品数削減や小型化に貢献
  • AEC-Q200に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の車載用製品「CGA」シリーズのX7R特性100V品で、業界最大の静電容量*となる3225サイズ(L3.2mm×W2.5mm×T2.5mm)の10µFの製品を開発し、2025年4月から量産を開始したことを発表します。

昨今、ECUの高機能化に伴い、消費電力が増え大電流化が進む一方で、車両の軽量化(ワイヤーハーネスの軽量化)も求められており、バッテリー電圧の48V化が進んでいます。その際、電源ラインで使用される平滑およびデカップリングコンデンサとして100V品の大容量化の要求が高まっています。

「CGA」シリーズの100V品では、材料選定と製品設計の最適化により、同一サイズの自社従来品から2倍の大容量化を実現しました。新製品は従来品から員数や実装面積を半減することが可能で、セットの部品数削減や小型化に貢献します。今後も更なるラインナップの拡充を図り、お客様のご要求へ対応してまいります。

* 2025年4月現在、TDK調べ

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 各種車載用48V電源ラインの平滑およびデカップリング用途  

主な特長と利点

  • 3225サイズで10μFの大容量化による、セットの部品数削減や小型化
  • AEC-Q200に対応した高信頼性

     

語彙集

平滑:大容量コンデンサの充放電により、整流された電流に含まれる脈流の電圧変動を抑え、滑らか(平
滑化)にする働きをする。
デカップリング:ICの電源ラインとグランド間にコンデンサを挿入し、負荷が急激に変化した際に一時的に電
流を供給して電源ラインの電圧変動を抑制する働きをする。
AEC-Q200:Automotive Electronics Councilの略。車載向け受動部品の規格。


 

主要データ

製品名外形寸法 
[mm]
温度特性定格電圧 
[V] 
静電容量 
[μF]
CGA6P1X7R2A106K250AC keyboard_arrow_right3.2 x 2.5 x 2.5X7R10010
サンプルのご購入は、製品名をクリック後に表示される製品ページから可能です。


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インダクタ

2025年3月18日

車載PoC用大電流対応巻線インダクタの開発と量産

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  • 最大1600mAの大電流に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、車載PoC用大電流巻線インダクタ 「ADL3225VFシリーズ」(L3.2mm×W2.5mm×H2.3mm)を開発し、2025年3月より量産を開始したことを発表します。 

ADASは複数の車載カメラやセンサー等により周囲の状況をセンシングして安全な運転をサポートしています。車載カメラは車のフロント、リヤ、サイドに配置され、その映像を支援システムで制御して安心安全な走行を実現しています。車載カメラの回路構成は、バッテリーを電源としてECUと呼ばれる制御回路を介して車載カメラに接続されています。ECUと車載カメラの接続には通常、信号線と電力線の2本で構成されていますが、PoCはこれらを1本の同軸ケーブルで実現する通信方式です。PoCは車内に配線されたケーブルを削減できるメリットがあり、車両重量の軽量化と低燃費化を実現します。さらには二酸化炭素の排出を抑制し、クリーンな地球環境に貢献します。

ADL3225VFシリーズは、ADL4532VKシリーズ(2025年2月13日リリース)の実装面積を約45%削減しつつ同等の定格電流1.6Aを実現しました。PoCは信号を処理する前に、信号と電力を分離するために複数のインダクタで構成されたフィルタが必要になります。従来品ADL3225VM-2R2Mと比較して独自の材料設計と構造設計により定格電流を約20%向上させながら、300MHz~1100MHzの高い周波数帯域で高インピーダンスを実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献します。また、高温環境下での使用を想定した製品設計により、動作温度範囲上限が155°Cとなる高信頼性インダクタです。

今後も車載PoC用インダクタ開発を巻線工法に加え、積層、薄膜の3種の工法を用いた最適化設計により、市場ニーズに対応した豊富なラインアップの拡充を行いPoC伝送信号の品質向上に貢献して参ります。
 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 車載カメラ用PoC回路 

主な特長と利点

  • 最大1600mAの大電流に対応し、車載カメラの高機能化に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

     

語彙集

PoC:Power over Coaxの略称。同軸ケーブルを用いた電力伝送
ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略称。先進運転支援システム
ECU:Electronic Control Unitの略称。自動車における各種機能を制御する装置の総称

 

主要データ

製品名インダクタンス
[μH] ±20%
@100KHz
直流抵抗
[ohm]
max.
Isat.
[mA] typ.
25deg.C
Itemp.
[mA] typ.
105deg.C
Itemp.
[mA] typ.
125deg.C
ADL3225VF-R49M-TL000

0.49

0.11

≥2000

1600

1250

Isat.25°C: インダクタンス変化率に基づく場合(公称インダクタンス値に対して –30% 以下)
Itemp.105°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 50°C)
Itemp.125°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 30°C)


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コーポレート

2025年3月13日

温室効果ガス削減目標でSBTネットゼロ目標認定を取得

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  • 国際的なイニシアティブSBTiがTDKの温室効果ガス削減目標を科学的根拠に基づいた目標設定であると認定
  • 直接排出だけでなく、サプライチェーン全体を含めた目標設定
  • 2050年までに排出量をネットゼロとすることを見据えた長期目標

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、温室効果ガス(以下、GHG)排出量のネットゼロ目標を策定し、これらの目標が、パリ協定に準じて「世界の気温上昇を産業革命前より1.5°Cに抑えることを目指す」ための科学的な根拠に基づく長期目標であるとして、国際的イニシアティブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」によるSBT認定を取得したことを発表します。(2025年2月3日に認定取得)

認定されたTDKのネットゼロ目標(長期)は以下です。
ターゲット1 : Scope1、Scope2のGHG排出量を2050年度までに2021年度(基準年)比で90%削減
ターゲット2 : Scope3のGHG排出量を2050年度までに2021年度(基準年)比で90%削減

これらのネットゼロ目標は、2024年6月度に同団体から認証を受けた中期目標を踏まえたものです。
ネットゼロ目標を達成するための活動の一環として、従来より再生可能エネルギーの導入を推進しています。
2023年7月より、国内すべての生産開発拠点において再生可能エネルギー由来の電力100%で操業を開始し、グループ全体で2025年度までに再生可能エネルギー導入を50%にするという目標を2023年度に2年前倒しで達成しました。2050年度に向けて引き続き、グループ全体で使用電力の100%を再生可能エネルギーに転換することを目指します。

今回のSBT認定取得を契機として、当社におけるGHG排出量の更なる削減を目指すとともに、サプライヤーにもGHG排出量の削減目標設定を促すことで、サプライチェーン全体でGHG排出量を削減し、持続可能な社会の発展に寄与してまいります。
 

 

語彙集

SBTi (Science Based Targets initiative): CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体が共同で2015年に設立し、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義・推進し、企業の目標を独自に評価する国際的イニシアティブ。https://sciencebasedtargets.org/

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電源製品

2025年3月4日

高電力密度アプリケーション向けテレメトリ機能を備えたμPOL™ DC-DC コンバータの開発と量産

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  • 小型モジュールの構造を最適化し、高電力密度を実現
  • 新製品FS1606は、6Aで業界最小のソリューション
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)へI2Cインタフェースを介し容易にアクセス

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、microPOL μPOL™)パワーモジュールのFS160*シリーズを開発し、20253月より量産を開始したことを発表します。性能が向上したμPOL DC-DC コンバータのFS160*シリーズはテレメトリ機能を備えた業界最小サイズで高電力密度を実現した製品です。

FS160*シリーズのサイズはL3.3mm × W3.3mm × H1.35mmであり、そのサイズと高電力密度により、本シリーズのモジュールはいずれも、ASICSoC、そして一般的なFPGAを搭載した設計へ、容易に組み入れることが可能です。テレメトリ機能(電圧、電流、温度)には、I2Cインタフェースを介してアクセスが可能で、モジュールは-40°Cから125°Cまでの幅広い接合部温度範囲で動作します。

3A品(FS1603シリーズ)、4A品(FS1604シリーズ)、6A品(FS1606シリーズ)のそれぞれには数種類のバージョンがあり、その他ラインナップとしても、12AFS1412)および25A200AFS1525)のモデルを用意しました。3Aから200AまでのDC-DCコンバータモジュールは、ビッグデータ、機械学習、人工知能(AI)、5G基地局、IoT、エンタープライズコンピューティングなど、幅広い分野のニーズをカバーします。

モジュール構成自体が革新的なFS160*シリーズのモジュールは、半導体内蔵基板技術を用いて、高性能コントローラ、ドライバ、MOSFET、ロジックコアをパッケージ内にて統合しています。半導体内蔵基板にすることによって、ワイヤボンディングが不要となり、温度性能が向上します。

また、モジュールのICとインダクタ、その他受動部品をチップ内蔵パッケージに統合することで、寄生インダクタンスを最小限に抑えています。これにより接続間距離が短くなり、モジュールの効率を高めています。抵抗とインダクタンスを最小化することで、動的負荷電流の応答速度が速まり、調整を正確に行うことができます。ブートコンデンサおよびVccコンデンサも、モジュール内に組み込まれています。

これらおよびその他の設計最適化により、FS160*シリーズのコンバータは、1mm3あたり1Wという大容量送電を可能としていますが、モジュールサイズは同クラスの製品と比べて半分程度です。FS160*シリーズのモジュールには非常に実用性があり、周辺温度100°Cを上限として、最高15Wまでエアフローを必要としません。このモジュールを使用することにより、プリント基板の省スペース化、基板層数と外付け部品数の削減が可能になるため、最終的にシステムのコスト低減につながる小型ソリューションとなります。

このモジュール方式により、0.6V5.0V出力のアナログ/デジタル設計が可能です。TDKは主要なFPGAサプライヤ各社のFPGAに特化したツールを含め、設計者が使用できる複数の設計ツールを用意しています。

FS1603FS1604FS1606シリーズには、3A4A6Aの各モジュール用の評価ボードがあります。FS160*シリーズの追加設計ツールには、QSPICETM上のスパイス・シミュレータ設計が含まれます。回路図およびPCBレイアウト用のリファレンスデザインは、パートナーのUltra Librarianから無償で提供されています。https://www.ultralibrarian.com/partners/tdk

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • ビッグデータ
  • 機械学習
  • 人工知能(AI)
  • 5G基地局
  • IoT
  • エンタープライズコンピューティング

主な特長と利点

  • 小型モジュールにおける高電力密度
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)
  • 3Aから25Aまでの幅広いラインナップのうちの一部として設計および用途にあわせ柔軟に対応可能
  • 3.3mm × 3.3mm × 1.35mmの小型サイズ
  • -40°Cから125°Cまでの幅広い動作温度範囲
  • 基板のサイズとコストを最小化
  • 産業機器向けとして評価済み、鉛フリー、ROHS準拠
     

語彙集

  • μPOLモジュール:ASICFPGAなどの複雑なチップセットに隣接配置される統合DC-DCコンバータ
  • PCB:プリント基板

 

 

主要データ

Part No. L x W (mm)T (Max.) (mm)Input Voltage Range 
Dual Supply Mode / V
Input Voltage Range 
Single Supply Mode / V
Output Voltage / VContinuous Output Current (Max.) / AOperating Junction Temp. / °C

FS1603-5000-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

4.5 to 16

4.5 to 16

5

3

-40 to 125

FS1604-3300-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

4.75 to 16

4.75 to 16

3.3

4

-40 to 125

FS1606-0600-AL keyboard_arrow_right

3.3 x 3.3

1.45

2.5 to 16

4.5 to 16

0.6 to 5.0

6

-40 to 125



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2025年2月14日

CDPの「気候変動」「水セキュリティ」両分野においてAリスト(最高評価)に選定

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  • CDPの「気候変動」において初の「Aリスト企業」に選定
  • 「水セキュリティ」対策において5年連続「Aリスト企業」に選定され、ダブル受賞

株式会社(社長:齋藤 昇)は、気候変動などの環境問題に取り組む国際的な非営利団体であるCDPにより、情報開示の透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、2024年度の「気候変動」及び「水セキュリティ」対策において最高評価のAリスト企業に選定されました。当社がAリストに選定されるのは、「気候変動」では初、「水セキュリティ」対策では5年連続5回目となります。
 

CDPは英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)であり、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。CDPは世界最大の環境データベースを有しており、そのスコアは、持続可能でレジリエントなネットゼロ経済に向けた投資や購買の意思決定に広く活用されています。2024年には、142兆米ドル以上の資産を持つ700社以上の署名金融機関が、CDPのプラットフォームを通じて環境への影響、リスク、機会に関するデータの開示を要請し、過去最多の約24,800社の企業がこれに応じました。
 

CDPは詳細かつ独立した手法でこれらの企業をスコアリングし、最も優れた企業を「Aリスト」として毎年認定しています。
 

当社では、より健全な地球環境を次世代に継承するために気候変動や生物多様性に配慮した迅速かつ効果的な環境活動を社会に先駆けて実践するよう注力しております。環境への影響や持続可能性への取り組みの透明性を高めるため、これらの活動の開示は非常に重要となります。特に気候変動分野では、長期目標として2050年CO2排出ネットゼロを掲げ、その推進に向けた2030年度までの目標についてSBTiによる認定を取得しています。今回の選定はこうした活動が評価されたものと考えています。
 

今後とも、経営理念に基づき事業を通じた社会課題解決を目指すことを基本とするとともに、長期ビジョンである「TDK Transformation」を掲げ、サステナブルな未来の実現に貢献して参ります。

本文および関連する画像はhttps://www.tdk.com/ja/news_center/press/20250214_01.htmlからダウンロードできます。


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2025年2月13日

車載PoC用大電流対応巻線インダクタの開発と量産

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  • 最大1650mAの大電流に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、車載PoC用巻線インダクタ 「ADL4532VKシリーズ」(L4.5mm×W3.2mm×H3.2mm)を開発し、2025年2月より量産を開始したことを発表します。 

ADASは複数の車載カメラやセンサー等により周囲の状況をセンシングして安全な運転をサポートしています。車載カメラは車のフロント、リヤ、サイドに配置され、その映像を支援システムで制御して安心安全な走行を実現しています。車載カメラの回路構成は、バッテリーを電源としてECUと呼ばれる制御回路を介して車載カメラに接続されています。ECUと車載カメラの接続には通常、信号線と電力線の2本で構成されていますが、PoCはこれらを1本の同軸ケーブルで実現する通信方式です。PoCは車内に配線されたケーブルを削減できるメリットがあり、車両重量の軽量化と低燃費化を実現します。さらには二酸化炭素の排出を抑制し、クリーンな地球環境に貢献します。

PoCは信号を処理する前に、信号と電力を分離するために複数のインダクタで構成されたフィルタが必要になります。ADL4532VKシリーズは、独自の材料設計と構造設計により数十MHzから数百MHzの広い周波数帯域で高いインピーダンスを実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献します。最大1650mAの大電流に対応可能であり、従来の車載カメラに加えて赤外線カメラやディスプレイなど高機能化のニーズに対応します。また、高温環境での使用を想定した製品設計により、動作温度範囲上限が155°Cとなる高信頼性インダクタです。

今後も車載PoC用インダクタ開発を巻線工法に加え、積層、薄膜の3種の工法を用いた最適化設計により、市場ニーズに対応した豊富なラインアップの拡充を行いPoC伝送信号の品質向上に貢献して参ります。

 

特徴とアプリケーション

主な用途

  • 車載PoC回路 

主な特長と利点

  • 最大1650mAの大電流に対応
  • 動作温度範囲-55 ~ +155°C、高温環境での使用に対応
  • 広い周波数帯域で高いインピーダンス特性を実現し、インダクタの使用数削減と省スペース化に貢献
     

語彙集

PoC:Power over Coaxの略称。同軸ケーブルを用いた電力伝送
ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略称。先進運転支援システム
ECU:Electronic Control Unitの略称。自動車における各種機能を制御する装置の総称

 


 

主要データ

製品名インダクタンス
[μH] ±20% @100KHz
直流抵抗
[ohm] max.
Isat.
[mA] typ. 25deg.C
Itemp.
[mA] typ. 105deg.C
Itemp.
[mA] typ.125deg.C
ADL4532VK-3R0M-TL0003.00.125210016501300
ADL4532VK-100M-TL00010.00.23512501200940
ADL4532VK-160M-TL00016.00.470950830640
Isat.25°C: インダクタンス変化率に基づく場合(公称インダクタンス値に対して –30% 以下)
Itemp.105°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 50°C)
Itemp.125°C: 温度上昇に基づく場合 ( 自己発熱による温度上昇 30°C)


ご連絡方法

販売網 & 工場

当社の製品にご興味をお持ちの方は、世界各地にある当社の営業所の概要をご覧ください。

関連資料

製品の問い合せ

私たちのソリューションに興味がありますか?お気軽にお問い合わせください。私たちはあなたを助けるために喜んでいます。

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