コンデンサ
2014年11月11日
新コンセプト高速スイッチングコンバータ向けセラミックキャパシタCeraLink™
実使用条件下の高DCバイアス電圧領域で最大実効容量を実現
150℃までの高耐熱性能
パワー半導体モジュール内への埋込対応可能
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、高速スイッチングコンバータのスナバやDCリンク回路向けに、EPCOSブランドの新コンセプトのセラミックキャパシタ、TDK CeraLinkTMを商品化したことを発表します。PLZT(PbLaZrTiO3)材料をベースとするこの新しいセラミックキャパシタは、BT(BaTiO3)材料をベースとする一般的なセラミックコンデンサとは対照的に、高DCバイアス電圧印加時に最大静電容量を示すことを特長とします。
シリーズ最小機種は、定格電圧500VDCで1µFの静電容量を持つ面実装(SMD)低背タイプで、外形寸法はL: 10.84mm x W: 7.85mmx H: 4.25mmです。また、ソルダーピンタイプの機種は、定格電圧500VDCで20µFの静電容量を持ち、外形寸法は、L: 33.00mm x W: 22.00mm x H: 11.50mmとなります。どちらのタイプも3.5nH以下の極めて低いESL(等価直列インダクタンス)値を示します。連続使用温度範囲は-40℃~+125℃で、保証時間に対して5%以内であれば150℃までの対応も可能です。
SMD低背タイプの特長は、素体および端子構造が高耐熱性能を有することによるパワー半導体モジュール内への埋込が可能なことです。それにより回路の低インダクタンス化が可能となり、半導体スイッチング時の過電圧を抑制することが出来ます。
上記タイプのほか、 定格電圧500 V DC、静電容量5 µF、外形寸法L: 13.25mm x W: 14.26mm x H: 9.35mmのSMDタイプと、定格電圧1000VDC、静電容量5µF、外形寸法L: 33.00mm x W: 22.00mm x H: 11.50mmのソルダ-ピンタイプの2タイプもサンプル提供致します。
本製品は、反強誘電体材料という一般的なセラミックコンデンサと異なる材料を使用することで、実使用条件下の高DCバイアス電圧領域で実効静電容量を最大にすることが可能となります。更に、量産中の燃料噴射用インジェクタのCu内部電極プロセス技術を応用展開するという2つの技術を融合することで、世界で初めて卑金属内部電極タイプの商品化を実現しました。
用語集
- PLZT:チタン酸ジルコン酸ランタン鉛
主な用途
- SiC/GaNパワー半導体のスナバ/DCリンク回路
主な特長と利点
- 3.5 nH以下の超低ESL
- 定格動作温度 - 40 ℃ to + 125 ℃、瞬時許容温度+150 ℃の高耐熱性能
- 定格電圧500 V DC/1,000 V DC
- 定格静電容量1, 20µF@500VDC, 5µF@1000VDC
- パワー半導体モジュール内への埋込対応可能