パルストランス
2018年2月6日
2.5GbE/5GbE、10GbE対応パルストランス - ALT4532シリーズの開発と量産
- 2.5GbE/5GbE、10GbEの伝送スピードに対応
- 1GbEのPoE(600mA)に対応(ALT4532Pシリーズ)
- SMDタイプで自動実装に対応
- 自動巻線工法による品質安定化
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、高速大容量伝送の2.5GbE*/5GbE、10GbEに対応したパルストランスALT4532シリーズ(外形寸法:L4.5×W3.2×T2.9mm)を開発し、2018年2月より量産を開始したことを発表します。
近年、IoT市場を背景にイーサネットでの伝送スピードは100MbE、1GbE、10GbEと速度が上がる中で、高速通信向けのパルストランスが求められています。また、1枚の基板に複数のパルストランスを搭載する傾向があることから小型サイズのニーズがあります。
現在のパルストランス市場は、トロイダル形状の製品が多数を占めていますが、TDKでは独自の構造設計を行い、SMDタイプの製品で自動実装に対応しています。また、生産は自動巻線工法を採用し、品質の安定化に寄与しています。
今回、新たにラインナップを追加した2.5GbE/5GbE用のALT4532Pシリーズは、100MbE、1GbEで一般的に使用されているケーブルのまま、手軽に高速化できる電子機器に対応するとともに、1GbEでのPoE*2(600mA)にも対応可能です。ALT4532Hシリーズは、10GbE専用ケーブルのカテゴリに変更したさらなる高速通信の電子機器に対応しております。
また、従来のパルストランスとコモンモードフィルタとのモジュール品をそれぞれ独立させることで、基板搭載のカスタマイズ性が広がり、自由な部品配置が可能となります。これにより例えば基板表裏面への実装による実装面積の削減をすることができます。
TDKは、今後さらに小型、かつ伝送特性効果が得られる製品の開発を予定しています。
用語解説
- *1 GbE ギガビットイーサネット1ギガビット/秒の仕様のイーサネットの規格。
- *2 Power over Ethernet:IEEE 802.3afおよび802.3atで定義されるイーサネット規格。 LANケーブルを経由して、データ通信と同時に電力を供給できる。
主な用途
- ネットワーク機器、通信機器、デジタル家電等のLANインターフェース
主な特長と利点
- 2.5GbE/5GbE、10GbEの伝送スピードに対応
- 1GbEのPoE(600mA)に対応(ALT4532Pシリーズ)
- SMDタイプで自動実装が可能
- 自動巻線工法で品質の安定化に寄与
- 小型サイズで省スペース化に貢献
主な特性
製品名 | 巻数比 ①⑥②:⑤③④ | インダクタンス (μH)min. [100kHz] ①-② ⑤-④ | 挿入損失 | 線間容量 (pF)max. [100kHz] ①-⑤ |
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ALT4532P-181-T05G (2.5- / 5GBASE-T) | 1 : 1 | 180 (DC bias 8 mA) | 0.9 @ 1-100 MHz 1.4 @ 100-200 MHz | 35 |
ALT4532H-121-T10G (10GBASE-T) | 1 : 1 | 120 (no bias) | 0.5 @ 1-150 MHz 1.0 @ 150-500 MHz | 35 |