EMC対策製品
2023年6月27日
高速差動伝送用薄膜コモンモードフィルタの開発と量産
- 薄膜工法では業界最小サイズ*L0.45mm×W0.3mm×H0.23mm
- 高速差動伝送のノイズ対策に対応
- 高い減衰特性と高速信号におけるディファレンシャル伝送特性を実現
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、高速インターフェース差動伝送向けのノイズ対策用コモンモードフィルタ「TCM0403Tシリーズ」(L0.45mm×W0.3mm×H0.23mm)を開発し、2023年6月より量産を開始したことを発表します。
近年、デジタル電子機器の高機能化・多機能化に伴い、伝送信号の高速化が進んでいます。機器から輻射されるノイズも必然的に高周波となり、他デバイスへの影響や通信劣化を招きます。
今回ラインナップしたTCM0403T-200-2P-T210とTCM0403T-080-2P-T210の2製品は、ディファレンシャル挿入損失のカットオフ周波数が8GHz以上であり、転送速度は最大12Gbpsレベルまで対応可能です。ノイズ対策での指標で重要となるコモンモード減衰量は従来の製品より特性が向上し、前者の製品で42dB@2.4GHz、後者の製品で34dB @5.0GHzと高周波数帯域での高い減衰特性を実現しております。コイル導体パターンはTDKの磁気ヘッドで培った技術を応用した薄膜工法による独自のファインパターン化設計で、薄膜工法で世界最小サイズを実現したことにより、機器の小型、薄型、軽量化に貢献します。
今後もさらに高速化する差動伝送ラインにおける輻射ノイズや外来ノイズの対策に向けて、無線通信システムの品質向上に貢献する小型薄膜コモンモードフィルタの開発とサービスに努めて参ります。
* 2023年6月現在、TDK調べ
特徴とアプリケーション
主な用途
- スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル機器等の高速インターフェース
- USB3.0/3.1/3.2、HDMI2.0/2.1、Display port/eDP、MIPI D-PHY
主な特長と利点
- 薄膜工法で実現した業界最小サイズL0.45mm×W0.3mm×H0.23mmによる省スペース化への貢献
- 高速差動伝送のノイズ対策に対応
- 高い減衰特性と高速信号におけるディファレンシャル伝送特性を実現
主要データ
製品名 | コモンモード減衰量 | カットオフ周波数 | 直流抵抗 | 定格電流 | 定格電圧 | 絶縁抵抗 |
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TCM0403T-200-2P-T210 | 42 @2.4GHz | 8.0 | 3.0 ± 30% | 35 | 5 | 10 |
TCM0403T-080-2P-T210 | 34 @5.0GHz | 15.0 | 1.2 ± 30% | 50 | 5 | 10 |