車載用150℃対応パワーインダクタの開発と量産

• 150℃の高温環境下に対応
• 磁気シールド機能に金属磁性材料を用いることにより定格電流の高い直流重畳特性を実現
• 溶接によるワイヤーと端子の継線構造により高信頼性を実現

TDK株式会社（社長：齋藤 昇）は、車載用150℃対応パワーインダクタ 「VLS5030EX-Dシリーズ」（L5.3mm×W5.0mm×H3.0mm)を 開発し、2022年10月より量産を開始したことを発表します。

本製品は、エンジンルームをはじめとした150℃の高温環境下でも使用可能なパワーインダクタです。磁気シールド機能に金属磁性材料を用いることにより、従来品（VLS-EX-Hシリーズ、以下同）と比較し、定格電流の高い直流重畳特性を実現しています。具体的には、4.7μHのI_sat 3.3Aは従来同等サイズ品と比較して約6%アップしています。従来品は磁気シールド機能にフェライトと樹脂の混合材料を使用していますが、これを金属磁性材料に変更することで小型サイズながら高い定格電流を保証します。また、巻線ワイヤーと外部電極との継線に溶接工法を用いることで、リフローや高温環境下での使用に際し高信頼性を実現します。

近年の自動車は、各種制御機能の電装化をはじめ、情報通信、自動走行運転等を目的として搭載されるECUは増加傾向にあります。特にADAS（先進運転支援システム）の高機能化は著しく、システム実現のために必要な各種ECU、およびそこで使用される電源回路用インダクタの員数も増加しています。また、ICの処理能力の向上にともないより大電流が求められており、VLS5030EX-Dシリーズはその仕様に寄与します。

今後、当社はADASを中心とした多種多様な車載用アプリケーションのニーズに対応したラインアップの拡充を図り、お客様のご要望に応えて参ります。