EMC対策製品
2025年6月3日
車載用3端子貫通型フィルタのラインナップ拡大と量産
- 車載用35V品で1005サイズの0.22µFと10V品で2012サイズの4.7µFを新たにラインナップ(高耐圧化と大容量化を実現)
- セットの部品数削減や小型化、電圧変動や高周波ノイズの低減に貢献
- AEC-Q200に対応
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、3端子貫通型フィルタの車載用製品「YFF」シリーズで業界最大の静電容量*となる、35V品で1005サイズ(L1.0mm×W0.5mm×T0.4mm)の0.22µFと10V品で2012サイズ(L2.0mm×W1.25mm×T0.85mm)の4.7µFの製品を開発し、2025年6月より量産を開始したことを発表します。
車載電装機器の高機能化に伴い、セットの異常動作への対策が一層求められており、異常動作の要因となる電圧変動や高周波ノイズを低減するためにコンデンサが多数使用されています。その一方で、セットの小型化も進んでおり部品数の削減も求められています。これらの課題に対し、低ESL(等価直列インダクタンス)を特長とする3端子貫通型フィルタの需要が高まっています。
新製品は材料選定と製品設計の最適化により同一サイズの自社製品と比べ、6.3Vから35Vへの大幅な高耐圧化と、0.47µFから4.7µFへの大幅な大容量化を実現しました。35V品(挿入損失40dB:4MHz~2GHz)は電源系統の入力から出力まで従来品より幅広い電源ラインで使用可能で、4.7µF品(挿入損失30dB:300kHz~3GHz)は入力コンデンサとして従来品より電圧変動の低減と高周波ノイズ対策に効果的です。また、セットの使用条件によっては、同程度に電圧変動を抑制するために必要な部品数をMLCCから半減することも可能です。
* 2025年6月現在、TDK調べ
特徴とアプリケーション
主な用途
- 車載電源ラインの平滑、フィルタ、デカップリング用途
主な特長と利点
- 高耐圧化と大容量化によるセットの部品数削減や小型化、電圧変動や高周波ノイズの低減
- AEC-Q200 に対応した高信頼性
語彙集
AEC-Q200 : Automotive Electronics Councilの略。車載向け受動部品の規格。
ESL:Equivalent Series Inductanceの略。等価直列インダクタンス。
主要データ
製品名 | 外形寸法 | 定格電圧 | 定格電流 | 静電容量 | 挿入損失 |
---|---|---|---|---|---|
1.00 x 0.50 x 0.40 | 35 | 2 | 0.22 | 40 dB | |
2.00 x 1.25 x 0.85 | 10 | 4 | 4.7 | 30 dB |