EMC対策製品
2023年2月7日
車載Ethernet 10BASE-T1S用コモンモードフィルタの開発と量産
- 業界初の10BASE-T1Sに対応
- ライン間容量を低減した構造設計を実現
- 巻線ワイヤーと金属端子のレーザー接合により高信頼性を実現
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、業界初*の車載Ethernet 10BASE-T1S用コモンモードフィルタ 「ACT1210Eシリーズ」(L3.2mm×W2.5mm×H2.5mm)を開発し、2023年2月より量産を開始したことを発表します。
本製品は、車載Ethernet 10BASE-T1Sに対応した車載用コモンモードフィルタです。TDK独自の巻線構造と最適な材料を採用することで、業界最高レベルのSパラメータを実現し、かつライン間容量10pF max.を達成しました。使用温度範囲は、-40℃~+125℃で、巻線ワイヤーと金属端子のレーザー接合により高い熱衝撃耐性を確保し、高信頼性を実現しています。
近年、車両の自動運転が注目されている中で、ADAS(先進運転支援システム)ECUを含む、安全機能に関係するECUの搭載が増えつつあります。Ethernet系の通信規格においては、通信方式がPeer to Peerに限定される100BASE-T1や1000BASE-T1と異なり、10BASE-T1Sは複数のECUを接続可能なマルチドロップ方式を採用できることを特徴としています。同様にマルチドロップ接続が可能な現在普及しているCAN/CAN FD/Flex-Rayの規格からEthernet系システムへの統一化を検討するお客様が増えてきています。本製品は、そのニーズに沿った特性を実現し、通信品質の向上やノイズ抑制に貢献します。
当社は、現在主流のCAN/CAN-FD、Flex-Rayに加え、Ethernetでは通信速度100Mbpsの100BASE-T1用、1Gbpsの1000BASE-T1用等、車載通信用コモンモードフィルタのラインアップを豊富に取り揃えております。今後も車載通信用コモンモードフィルタの総合的な製品サービスの提供により、お客様の要求に応えてまいります。
特徴とアプリケーション
主な用途
- 車載Ethernet通信システム(10BASE-T1S
主な特長と利点
- 業界初の10BASE-T1Sに対応
- ライン間容量を低減した構造設計を実現
- 巻線ワイヤーと金属端子のレーザー接合により高信頼性を実現
- AEC-Q200 Rev.D対応
語彙集
Ethernet
有線ローカルエリアネットワークの通信方式
ECU
Electronic Control Unitの略称で電子制御ユニット
Sパラメータ
散乱(Scattering)パラメータ。回路に入力された信号電力に対する反射や伝送の程度を表したパラメータ。
Peer to Peer
ECU同士が一対一の接続でデータを通信する方式
主要データ
製品名 | インダクタンス | 直流抵抗 | 絶縁抵抗 | 定格電流 | ライン間容量 | 定格電圧 |
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ACT1210E-241-2P-TL00 | 240 +50%/-20% | 4.1 | 10 | 70 | 10 | 80 |