インダクタ
2019年2月12日
車載用小型金属磁性材インダクタ TFM-ALVAシリーズの開発と量産
- 小型金属磁性材インダクタで定格電圧40Vを実現- - -*業界トップレベル
- 新開発金属磁性材料の採用により大電流に対応
- 温度保証範囲は-55 ~ +150℃を実現
- AEC-Q200に準拠
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載用の金属磁性材料をコア材とした電源回路用インダクタTFM252012ALVAシリーズ(外形寸法:長さ(L) 2.5 × 幅(W) 2.0 × 高さ(T) 1.2mm)を開発し、2019年2月より量産を開始したことを発表します。
従来品(TFM-ALMAシリーズ)の定格電圧は20Vのため、車載12Vバッテリーから直接入力接続される電源回路では使用することができず、今日までこの領域で使用可能な3mm角以下の小型金属磁性材インダクタは市場にありませんでした。
今回、新たに開発しましたTFM252012ALVAシリーズは、TDK独自の材料技術、構造設計によって3mm角以下の小型サイズでありながら、定格電圧40Vを実現し、車載12Vバッテリーから直接入力接続される電源回路での使用が可能となります。
また、使用温度範囲は‐55 ~ +150℃(自己温度上昇含む)と車載向けの厳しい温度環境で使用することが可能です。
近年の自動車は、各種制御機能の電装化をはじめ、情報通信、自動走行運転等を目的として搭載されるECUが増加傾向にあります。
特にADAS**の高機能化は著しく、システム実現のために必要な各種ECU、およびそこで使用される電源回路用インダクタの員数も増加傾向にあります。
部品点数が増加する反面、実装スペースは限られるため、小型高性能で信頼性の高い電子部品に対しての市場ニーズが高まってきております。今回開発したTFM2520ALVAシリーズは、この市場ニーズに対して応えることのできる新製品となります。
今後、TDKは各種サイズとインダクタンスのラインナップを拡充し、多様な設計用途に対応できる電源回路用インダクタを提供することで車載モジュールの小型化に貢献致します。
*業界トップレベル:3mm角以下のサイズで金属磁性材料をコア材としたインダクタでの定格電圧40V
** ADAS:Advanced Driver Assistance System 先進運転支援システム
主な用途
- ADAS、パワートレイン、カーテレマティクス(インフォテインメント)、各種ECUなど
主な特長と利点
- 定格電圧40Vを実現し、車載12Vバッテリーから直接入力接続される電源回路で使用可能
- 新開発金属磁性材料を用いる事で大電流に対応
- 温度保証範囲は‐55 ~ +150℃で広範囲に対応
主な特性
製品名 | インダクタンス [μH] @ 1MHz | 直流抵抗 [mΩ] max. | Isat* [A] max. | typ. | Itemp** [A] max. | typ. |
---|---|---|---|---|---|---|
TFM252012ALVA4R7MTAA | 4.7 ±20% | 200 | 1.9 | 2.2 | 1.6 | 1.8 |
Isat*: インダクタンス変化率に基づく場合(初期L 値より30% 低下)
Itemp**: 温度上昇に基づく場合(自己発熱による温度上昇40°C)