ピエゾアクチュエータ
2017年2月14日
ハプティクス向けPiezoHapt™アクチュエータの開発
- 世界最薄クラスの厚み約0.35mmの振動ユニット
- 低電圧駆動
- 瞬時に反応
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、ハプティクス技術向け「PiezoHapt™アクチュエータ」の開発および本年3月からのサンプル出荷開始を発表します。PiezoHaptアクチュエータは、積層圧電素子と振動板からなるユニモルフ構造の振動ユニットで、低電圧駆動ながら多彩な振動パターンに対応します。従来、振動に用いられてきた偏心モータやリニアアクチュエータ(リニアバイブレータ)と比較し、本製品は世界最薄クラス*¹の厚み(約0.35mm)と瞬時に反応することが特徴です。
本製品の圧電素子は積層タイプで、同じ厚みの単板タイプの素子よりも大きな変位を生成できます。そのため、一般的に圧電式のハプティクス技術には高電圧が必要となるのに対し、PiezoHaptアクチュエータは24V以下の低電圧でも振動の感覚を皮膚に伝えることができます。また、本製品は圧電の特性から瞬時に反応することが特徴であり、およそ0.004秒*²で立ち上がります。偏心モータ等と比較して短時間の通電で動作することができるため、消費電力量が少なく省電力を実現します。さらに、偏心モータを使用する場合、振幅は設計で決まりますが、PiezoHaptアクチュエータはパルス制御により振幅の大きさ、間隔を自由に変化させることができるので、多彩な振動パターンを細やかに表現することが可能です。
指先でのタッチの感覚など触覚の活用は、バーチャル・リアリティ(VR)をはじめ、これから様々な分野で期待されます。低電圧駆動の薄型アクチュエータPiezoHaptは、2016年11月発表した高い加速度と大きな発生力を備えたEPCOSブランドのPowerHap™ ピエゾアクチュエータに続くハプティクス向けアクチュエータの新たなラインアップとして、TDKが提供する最新鋭の触覚フィードバックソリューションの幅をさらに広げます。PiezoHaptアクチュエータは、振動による触覚フィードバックを必要とする様々なアプリケーションにご使用いただけます。
*¹2017年2月現在、TDK調べ
*²TDKによる計測
用語集
- ハプティクス : 力や振動などの皮膚感覚フィードバックで情報を伝達するテクノロジー
- ユニモルフ構造 : 金属板の片面にセラミックスの圧電素子を貼付した構造
主な用途
- スマートフォンなどのディスプレイ、カーナビ、タッチパッド、コントローラなど
主な特長と利点
- 世界最薄クラスの厚み 約0.35mm
- 低電圧駆動で瞬時に反応し、振動パターンの自由な変化が可能
主要データ
製品名 | 振動板寸法 [mm] | 素子寸法 [mm] | 動作電圧 [V] Max. | 変位 [μm] | 使用温度範囲 [℃] | 用途 |
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PHUA8060-35A-33-000 | 80 x 60 x 0.25 | 30 x 30 x 0.1 | 24 | 55 typ. (200Hz, サイン波, 無負荷) | -10 ~ 60 | 一般グレード |