高周波部品
2019年11月19日
5G対応、ミリ波帯向けの積層バンドパスフィルタの開発と
- 業界初*、フィルタ中心周波数28GHz、製品サイズ2.5x2.0mmにて低挿入損失、高減衰、低遅延性能を実現
- 第5世代(以下、5G)基地局等の無線回路部向けに高周波かつ広帯域性能、スプリアス除去に最適
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、移動体無線通信機器の基地局向け積層バンドパスフィルタの新製品(製品名:MMCシリーズ)を開発、量産化し、高周波積層製品のラインナップを拡大したことを発表します。
本新製品はミリ波の高周波において低挿入損失を可能にする当社独自の新しいLTCC材料の開発と、長年電子部品の製造で培ってきた高精度な積層工法の活用により、広帯域かつ高減衰性能を有する小型の積層バンドパスフィルタを開発し、量産化を実現しました。
現在、移動体通信システムのさらなる高度化として、5Gの検討が世界的に進められています。高速・大容量・低遅延という特性のほか、様々な関連機器が多数つながる次世代のシステム構築が急がれています。このシステムの実現には、既存の無線周波数に加え、更に高周波で広帯域なミリ波帯の周波数も利用されます。
今後、当社は各種周波数バンドに対応した、フィルタの製品ラインナップをさらに拡充することにより無線通信機器の回路用途に対応した特性の積層バンドパスフィルタを提供し、高度化していく5Gの移動体通信システムの基盤構築に貢献してまいります。
なお、本製品はカスタム対応品のため、お客様のご要望をお聞きした上でサンプルを提供します。
* 2019年11月現在、TDK調べ
用語集
- スプリアス: 使用する信号周波数帯域以外の全ての不要な信号成分
- LTCC: Low Temperature Co-fired Ceramicの略称。コンデンサ、インダクタなどの多数の素子からなる回路を、誘電体シート(アルミナを基調とするガラスセラミックス)に印刷して積層するモジュール化技術で、低温焼成多層基板のこと
主な用途
- 5G基地局等のRF送受信回路部
主な特長と利点
- 5G 28GHz帯NR(新無線)周波数に対応可能
- ミリ波帯の周波数変動などのばらつきを抑える端子構造
- 高シールド性能
主な特性
代表製品名 | 形状[mm] | 挿入損失 at 27.5-29.5GHz | 減衰量 at 22.1-24.68GHz | 減衰量 at 32.3-34.9GHz | 群遅延 |
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MMCB2528G5T-0001A3 | 2.5 x 2.0 x 0.9 | 1.0dB typ. | 30dB typ. | 25dB typ. | 0.25ns typ. |