ノイズ抑制シート
2017年5月23日
銅箔ラミネート型高透磁率磁性シートの開発と量産
- 当社独自の銅箔ラミネート工法により、従来品IFL10M 厚さ0.1mm品に比べ、同等性能で約60%の薄型化を達成
- アキレス株式会社が開発したナノ分散ポリピロール液を用いた「めっき処理技術」を活用し、厚さ約1 µmの銅箔を実現
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、銅箔ラミネート型高透磁率*1磁性シートIFM10Mシリーズを開発し、2017年6月より量産することを発表します。
近年、スマートフォンをはじめとする各種電子機器は、小型薄型化と共にNFC*2や非接触電力伝送など、多機能化が進んでいます。これに伴い、機器内部は一層の高集積化が進み、ノイズ対策についても効率の良い抑制効果が求められています。ノイズ対策は、基板上の回路設計と、それに伴い実装される各種電子部品により施されますが、これに加え、想定外の不要なノイズに対しても輻射を抑える必要があり、ノイズを吸収し熱エネルギーに変えることができる磁性シートを使うことで、ノイズが機器外部へ漏れることや、機器内部で反射し他の部品等に影響を与えることを防ぎます。
本製品は、磁性シートと独自工法により形成した厚さ約1umの銅箔とをラミネートしており、従来品IFL10M シリーズの厚さ0.1mm品と同等のノイズ抑制性能で約60%の薄型化(厚さ約0.04mm)を実現しています。
今回当社が開発した厚さ約1 umという極薄層の銅箔は、アキレス株式会社(社長:伊藤 守)のナノ分散ポリピロール液を用いためっき処理技術を活用することで実現しました。
本製品の標準シートサイズは300×200mm、厚み寸法は貼付用両面テープを含み0.05mmです。従来品のIFL10Mシリーズ、IFL12シリーズに加えて豊富なラインアップを提供します。
用語集
- *1透磁率: 磁性体に磁界を印加したときの直の増加率のことで、磁性体における磁力線の吸収しやすさのこと。
記号μ’(ミュー)で表される。 - *2NFC: 近距離無線通信(Near Field Communication)のこと。
主な用途
- スマートフォン、タブレット端末やノートPC等、電子機器のノイズ抑制通信機能を搭載したゲーム機器
- 電磁誘導式ペン入力の感度向上
主な特長と利点
- 磁性層と銅箔のラミネート構造により、広帯域・高効率のノイズ抑制効果を維持しながら薄型化と
軽量化へ貢献します。
主要製品
製品名 | 透磁率 [μ’] (at 1MHz typ.) | 推奨使用周波数帯 [MHz] | 標準外形寸法 [mm] | 厚み寸法 [mm] |
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IFM10M-025BB300X200 | 100 | 0.5 ~ 10000 | 300 x 200 | 0.04 |