ESD/サージ保護デバイス
2019年9月17日
車載用Ethernet向け高ESD耐量チップバリスタの開発、量産
- 低静電容量および狭公差品の実現
- ESD耐量 25kVの実現 (IEC61000-4-2)
- 小型形状(1.0 x 0.5 x 0.5 mm)
- 温度特性は150℃まで対応
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載用のEthernet向け、高ESD耐量チップバリスタの新製品(製品名:AVRH10C221KT1R5YA8)を開発し、製品ラインナップを拡大したことを発表します。
この新製品は、高精度な積層技術、さらには製造プロセスと工程設計の最適化により、静電容量範囲は1.5 ± 0.13pF、かつESD耐量は25kVをともに実現しました。製品サイズは1005サイズ(1.0 x 0.5 x 0.5 mm)で当社従来品との体積比で約75%の小型化を実現しました。使用可能な温度範囲は-55 ~ +150℃です。
近年、自動車のADAS(先進運転システム)やその先の自動運転では、ECU間の高速・低遅延の通信が要求されるため、通信インフラとして車載用のEthernetが使用されております。本製品はECU間の高速通信を阻害することなく車載機器のESD保護が可能です。これからの車載機器で必要とされる高速通信への対応に加え、高ESD耐量化を達成することでより高い信頼性を実現した新製品です。
今後、さらなる小型化、使用電圧の向上、静電容量範囲の拡大等、製品ラインナップの拡充を図り、お客様の多種多様な車載用機器の設計に柔軟に対応していきます。
用語集
- IEC61000-4-2:International Electrotechnical Commissionの略。国際電気標準会議で定められた静電気放電のイミュニティ規格。
- Ethernet:コンピュータや電子機器をケーブルで繋いで通信するネットワーク規格の1つ。
- ADAS:Advanced driver-assistance systems の略。 先進運転支援システム。
- ECU:Electronic Control Unitの略。各種車載用電子制御ユニット。
- ESD:Electro-static discharge の略。 静電気放電。
主な用途
- 車載用Ethernet
主な特長と利点
- 低静電容量および狭公差品
- ESD耐量25kV
- 小型化による省スペース
- 温度特性150℃対応による使用エリアの拡大
主な特性
製品名 | 外形寸法 [mm] | 最大許容回路電圧 [V] | 静電容量 [pF] | アプリケーション |
---|---|---|---|---|
AVRH10C221KT1R5YA8 | 1.0 x 0.5 x 0.5 | 70 | 1.5 ± 0.13 | Ethernet 1000Base-T1 |