インダクタ
2019年9月3日
車載LEDヘッドライト用電源系インダクタSPM-VTシリーズの開発と量産
- 当社従来品比(*1)で約2~3倍の定格電流(Isat.)を実現
- AEC-Q200に準拠
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載LEDヘッドライト用の電源回路に搭載される電源系インダクタ「SPM-VT」シリーズを開発し、2019 年9月から量産を開始することを発表します。
本製品は、TDK独自の金属磁性材料技術による高い磁気飽和密度と構造設計で、従来のコア材にフェライトを用いた「CLF-NI-D」シリーズと比較し、小型でありながら優れた直流重畳特性を有し、約2~3倍の定格電流(Isat.)を実現しました。
3種類のラインナップ(サイズ/定格電流:L7.5×W7.0×H5.4 mm/4.7A、L10.5×W10.0×H6.5 mm/36.6A、L13.0×W12.5×H6.5 mm/14.2A )で、多様な車載LEDヘッドライトの電源回路に対応します。また、-55℃~+155℃(*2)までの広い動作温度範囲で車載LEDの耐熱に対応し、 AEC-Q200 に準拠しています。
車載ヘッドライトは、これまでのハロゲンやHIDから、低消費電力で高機能なLEDが主流になりつつあり、LEDヘッドライトでは、ロービーム・ハイビームに加え、デイタイムランニングライト等を同一回路で駆動させます。車載用LEDの電源回路のDC-DCコンバータではパワーインダクタが使用されています。LEDの高機能化に伴い、インダクタの使用数は増加傾向です。一方、回路基板はよりコンパクト化が求められており、インダクタは小型で大電流に対応するハイパフォーマンスの製品が求められています。
今回の「SPM-VT」シリーズは、その小型でハイパフォーマンス製品へのニーズに応えます。今後は、より小型サイズのL7.0×W6.5×H4.5 mm、L5.3×W5.1×H3.0 mm等のラインナップの拡充を図り、様々な市場ニーズに最適な製品を提供してまいります。
(*1)コア材にフェライトを用いた「CLF-NI-D」シリーズと比較
(*2) 自己温度上昇含む
主な用途
- 車載用LEDヘッドライト
- 車載各種ECUの電源回路等
主な特長と利点
- 動作温度範囲 -55 ~ +155℃で車載LEDの耐熱に対応
- 金属磁性材料使用による優れた直流重畳特性で定格電流は約2~3倍を実現
- AEC-Q200対応
主な特性
製品名 | 外形寸法 [mm] | インダクタンス [μH] | 直流抵抗 [mΩ] max. | 定格電流 [A] Isat | Itemp |
---|---|---|---|---|---|
SPM7054VT-470M-D | L7.5 x W7.0 x T5.4 | 47 ±20% | 162 ±10% | 4.7 | 2.5 |
SPM10065VT-1R0M-D | L10.5 x W10.0 x T6.5 | 1.0 ±20% | 2.4 ±10% | 36.6 | 22.9 |
SPM12565VT-150M-D | L13.0 x W12.5 x T6.5 | 15 ±20% | 20.9 ±10% | 14.2 | 8.5 |
定格電流Isat.:インダクタンス変化率に基づく場合(初期値より30%低下)
定格電流Itemp.:温度上昇に基づく場合(ΔT40℃)